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【千葉県】雀島(夫婦岩)で星空と日の出を撮影してみた

雀島での星空・日の出撮影
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え~~、結果から申しますと大変悲惨な目に遭いました。

どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。

青春18きっぷの期限が5日後に迫った9月5日、行先が決まらないまま4回分を残したきっぷを見つめていました。

すずめ

やべえ…
9,600円が無駄になる…MOTTAINAI

これにはワンガリ・マータイさんもあの世から裸足で降臨しかねません。

どこかに行きたい。できれば星が撮りたい。

――でも、ヒンナムノーだかムイファーだか、そんな感じの台風が近づいていて、どこへ行っても天候が悪そう。

いろいろ考えた結果、

そうだ、千葉県の雀島へ行こう

となりました。

ちなみになぜここに決めたかといえば、

  1. 出発日(9/7)に予定があり出発が17時になるため、地元から鈍行で6~7時間の場所までしか行けない。
    この時点で、山梨・愛知・岐阜・埼玉・東京・神奈川・千葉・茨城・栃木あたりに絞られる。
  2. 9/7夜の天気は絶望的だったものの、Windyで見ると千葉のいすみ市周辺(沿岸部)だけがピンポイントで晴れていた。(SCWは曇っていた)
  3. 17時前後に地元を出発すると、雀島の最寄り駅に終電で到着できるらしい。

あ、これはもう運命だな。奇跡がおきるな。

そんなわけで、ちょうど『デジタルカメラマガジン9月号』で前田氏が紹介されていた雀島へ行くことにしました。

実はなにげに県外で初の星撮りです。

記念すべき第一弾はクソみたいな結果で終わりましたが、お蔵入りをしたらそれこそ無駄骨なのでブログに綴ります。

雀島に撮影へ行かれる方は反面教師にでもしてください。

無駄話が多いので、撮影情報だけ知りたい方は下の目次を辿るとわかりやすいはず。

雀島(夫婦岩)について

千葉県いすみ市、九十九里浜から南下した津々ヶ浦にある2つの岩の名称です。

正式名所は夫婦岩ですが、もともとは1つの岩が侵食され2つに分裂したとのこと。

遠い将来どちらか(どう考えても小さい方だが)が消滅し、死がふたつを分かつときが来るでしょう。

もしかしたら3つに分裂し、間男岩が爆誕するかもわかりません。

それはさておき、日本には他にも雀島の名称をもつ島があり、千葉だけでもあと4つあります。

デジタルカメラマガジンでは「法華崎(ほっけざき)にある」と紹介されていますが、おそらくそっちは冨浦にある別の雀島です。

編集部も間違える紛らわしさ。

形が雀というわけでもないですし、雀の理由は何があるんでしょうか?

鴎じゃダメなんでしょうか?

スポットとしては飛びぬけて有名ではないものの、天体観測地としてはそれなりに人気な模様。

ときどき写真を撮る人がいたり、釣りをする人がいたり、そんな場所です。

近くにはオートキャンプ場(ワイルドキッズ岬オートキャンプ場)があるので、そこに宿泊がてら足を運んでもいいかもしれません。

雀島(夫婦岩)のアクセスと駐車場

最寄りI.Cは市原鶴舞I.Cや茂原長南I.C、台方I.Cあたり。
いずれも下りてから30分ほどかかります。

駅だと、JR太東(たいとう)駅が最寄り駅です。

こちらは徒歩45分ほどかかります。

私は青春18きっぷ旅なので、太東駅から歩きました。深夜です。

まったくもって本当におすすめしません。車で行きましょう。

とはいえ車でも周囲の道がやや細く、通行には要注意です。

10台は止められそうな広い駐車場があり、疲れたら車で休憩できるのはうれしいですね。まあ、私にはその車がないのですが。

目と鼻の先に浜があり、アクセルとブレーキを間違えたら浜辺に転がり落ちるかもしれません。コンビニやスーパーに突っ込みがちなウッカリさんは気を付けましょう。

ほかにあるのは、東屋と仮設トイレ(和式)。

雀島トイレ

トイレには紙がありませんでした。まったく、油断も隙もあったもんじゃない。

ですが、そんなこともあろうかとマイトイレットペーパーを持参している私にとっては些末な事態です。

どんな時も心に情熱、懐にトイレットペーパー。

旅録① 割れそうなケツ、裏切りのWindy

鈍行列車に揺られて3時間も経つころには、尻が悲鳴を上げていました。

しり…?

割れるうううう!!

割れとるやないか。

いや、本当のところ尻よりやばいのは腰なんですね。

でも電車って一度座ると人が多いときに立ったり座ったりできないじゃないですか。スクワットしたりとかはもっての外で。
だからずっと座っているしかありません。

そんなこんなでお天気チェックをしていると、晴れと申していたWindyがいつの間にか雲量40%くらいに意見チェンジしていました。

別のサイト(accuweather)では雲量70~90%――って、そんなのもう星なんて見えませんやん。

私は今、どこへ何しに向かっているの?

ほんと、気象予報の「晴れるよ」は、中学生女子の「マラソン一緒に走ろうね」や「ズッ友だよ♪」くらいの信頼度だとあたらめて実感しました。

車窓は雨。絶望を宿した心で東京へ向かいます。

旅録② マウントアダプター忘れる

私は最近、SONYのα7RⅢにマウントアダプターをかませて、別メーカーであるキヤノン用のレンズで星撮影をしています。

というのも、SONY用の星撮りレンズを買う余裕がないからです。

……で。
東京まで来た時、そのマウントアダプターを忘れたことに気づきました。

は????

レンズ使えないじゃん。撮影できないじゃん。
ちょっと待って、私は本当に何しに行くの??

半泣きで閉店間際のヨドバシカメラ新宿西口店に駆け込んで、マウントアダプターを購入しました。

2万8000円也。店頭価格だから少しボられた……。
同じやつが家にあるのに!!

でも背に腹は代えられません。撮影旅に出てレンズが使えない、では話にならないのです。

楽天カードも家に忘れ、出発からわずか4時間で持ち金の9割が消え、再び電車に乗ります。

もうこの時点で青春18きっぷのお得感なんて何ひとつ存在していないわけですな。

なおマウントアダプターはメルカリに出品予定です。

旅録③ 電車、イノシシを轢きやがる

お天気が絶望の中、一縷の望みが見えました。

なんと深夜1~2時の1時間ほど、雀島周辺に晴れ間が覗きそうな気配があるのです。
スピリチュアル的な勘ではなく、愛しのWindyです。

いや、おまえそのアプリに依存しすぎだからアンインストールしろ、という感じですが、ここまできたら縋れるのは自分に都合のいい予報を吐き出してくれるやつだけなんです。

駅に着くのが0時20分。雀島までは徒歩50分。間に合う。
ディスティニー! ミラクル! 耐えてくれ天気!

などとガラガラの外房線で鼻歌を歌っていたところ、房総半島を横断中に電車がイノシシを撥ね飛ばしました

は?????

千葉、イノシシいるのか。とんだ田舎じゃねえか。

30分遅延して0時50分に太東駅へ到着。ガッデム!

なんなんでしょうね、このタイミングの悪さは。

おそらく前前前世あたりが宇宙からやってきた隕石で、あまたの恐竜を絶滅させた業を6000万年経った今も背負い続けてるのだと思いますが……。

まったく、いい加減許されたいものです。

旅録④ 雀島まで徒歩1時間

三度目の正直というべきか。Windyの予報通り、電車を降りると東の空が晴れていました。

予定だと昇り始めたオリオンと雀島(夫婦岩)を撮れるはずが、私はまだ太東駅。

動揺が見てとれるブレブレの駅舎を撮ったところで……。

太東駅

必死になって1時間歩き続けました。

Gooleマップでは所要時間45分(3.6km)らしいですが、いつも思うのは「これは競歩をしている想定なのかな?」ってことですね。

時速5kmで計算しているのだとか。

機材がアホほど重く、撮影旅は電車でするものじゃないな、と思い知らされます。

ちなみに太東駅から雀島までは、民家の少ない薄暗い道を通ります。

治安が悪そうには見えませんが、不審者が来たら音もなくハイエースされそうなので夜中の徒歩移動はおすすめできません。

私は馬鹿なのでやっています。

雀島は北東~南東の空と撮影できる

地図からもわかる通り、北東~南東の空が開けている雀島は星空撮影に適した場所です。

(当たり前ですが)この日は私以外いなかったものの、1~3月の天の川が昇る時期はかなり人が来るのではないでしょうか。

と思って調べてみたら、10人以上集まっていそうな写真を見つけました。やはり人気のようです。

1時40分。
やっとこさ雀島に到着したころには、すでに雲がかかり始めていました。ガッ

10~20分しか撮影できなさそうなので、マッハで準備を始めるものの、初めて来る場所だから地形もわからない。

南東側を撮るなら、駐車場の左端から撮影するのがよさげです。

雀島撮影場所

浜に下りる階段もありますが、満潮時はおそらく浜が沈みます。
着いたときには水位が高くて怖かったので、上から撮影しました。
参考までに千葉県の潮位表

この日の月齢は11。
空自体はやや明るいものの、2時に沈む予定の月は西側の山に隠れて問題ありませんでした。

むしろ月明りがいい感じに地上風景を照らしてくれるかな、と期待したけれど、雲が多すぎてそもそも月の位置すらよくわからなかったですね。

撮影イメージとしては、秋口だったらオリオンと一緒に写す感じ。

空の暗さ、光害など

千葉なので空自体は暗くありませんが、主要道路も遠く、そもそも海側を撮影するためその点は問題ありません。

左右にある太東埼灯台や犬吠埼灯台の光も画角には入りませんでした。

むしろ困ったのは漁船です。

深夜の海を初めて見た私は、想像以上に漁灯が眩しくて驚きました。

雀島(夫婦岩)の星空
ISO3200 16mm F2.8 SS20

こういうの、皆さんどうしているのでしょうか。
ソフトフィルターなんて使い物にならなさそうです。

あと、後ろにある民家の街灯がやたらと明るいオレンジの光を放っており、それが岩を赤っぽく色づけてしまっていたようです。

ここはやはり波を写したいところだったのですが、海だけは暗くて露出不足になるという難しさ。

結局星が見えていたのは15分ほどで、なんとか撮れたのは数枚でした。

雀島(夫婦岩)の星空
ISO3200 18mm F2.8 SS20

ピントが甘く、拡大しなくても死ぬほど星像が汚いです。

潮風によりソフトフィルターが汚れて、結露と同じ状態になりかけてますね。

この日は犬吠埼の方で雷鳴が轟き、閃光で昼間みたいな写真が撮れました。(丸いのは灯台の光)

雀島(夫婦岩)
ISO2000 26mm F4.0 SS13

そのタイミングで撮れた1枚は、波が写っています。
雲に隠れて見えにくいですが、冬の大三角もうっすらと。

雀島(夫婦岩)の星空
ISO3200 15mm F2.8 SS20

3枚だけでもとりあえず撮れたので結果オーライということで。

雀島での星撮りの所感・注意点まとめ

  • 灯台の明かりはそこまで邪魔にならない
  • 漁灯と後ろの家?のライトは眩しい。とくに漁灯はソフトフィルターを付けていると悲惨
  • 浜や海は暗い。1枚撮りで波まで描くには月明りが必要か
  • 潮位が高いと浜には下りられない
  • 海風で機材ベトベト、定期的に確認しないとレンズが汚れている
  • レンズヒーターが必要。角形フィルターはヒーターが使えず詰む
  • そもそも潮の汚れってヒーターでどうにかなるものなの?

ここらへんでしょうか。

海での星空撮影は意外と難易度が高そうです。
いろいろ考える必要がありますね。

旅録⑤ 両足こむら返り地獄

2時半ころになったら空一面が雲に覆われ、やることがなくなりました。

やれやれ休むか、と思い座り込んだ途端、足がつりました。

7時間も座りっぱなしだったあと、急に歩いたのが良くなかったのでしょうね。水もほとんど飲んでませんでしたし。

こむら返りって普通ふくらはぎなので、足の指を逸らせてアキレス腱を伸ばせば治りますが、そうしたら今度は前側の前脛骨筋も一緒につりました。

は????

表裏でつるとびっくりするくらい痛いんですね。
ついでと言わんばかりに両足がこむらがえり、15分くらい駐車場で悶えてました。

あまりに悲しいので、家から持ってきたサツマイモを齧りつつそのまま駐車場にてご就寝。

駐車場は砂地+草原のため横になって寝れます

寝れますっていうアドバイスが一体誰の役に立つかはわかりませんが、雀島は身ひとつで来ても野宿できそうです。

(日本といえど何があるかわからないので自己責任でお願いします。)

日の出スポットとしても有名

雀島は日の出スポットとしても有名です。

ちょうど岩の付近から朝日が昇るようで、星がダメでも朝日だけは撮ろうと意気込んでいました。

が、当初は晴れだった明け方の予報も覆ったので(もう何ひとつ当たってねえな)、4時頃になっても厚い雲が垂れ込めていました。

雀島(夫婦岩)の星空
ISO2500 15mm F3.2 SS15

ちょっとだけ見えた空。
それ以降顔を出すことはなかった……

日の出時刻に日の出(?)っぽい現象が見られたので一応パシャリ。

雀島(夫婦岩)の日の出
ISO160 15mm F9 SS3.2

ここまで来ると精魂尽き果てていて、寝ながらテレビを見る主婦の姿勢でレリーズを押していました。

寝ながらテレビを見る人

日の出の頃に一人だけ地元民らしき人が来ましたが、その人も私の姿を見てギョッとしたのかすぐ帰って行きました。

明るくなり、やっと周囲の状況がわかってきます。

どうやらテトラポット(実は商標)があるようで、潮位が低いとこれが頭を出しているようです。

雀島(夫婦岩)
ISO50 17mm F13 SS2.5

今回は少し隠れていました。

撮影はNDフィルターでスローシャッターが良さげか

流れるような波を描くならNDフィルターは必須です。

今回持って行ったのはハーフのND8。
曇り空でも空側が白飛んでしまったので、もう一段暗いものか二枚重ねがいいのかな、と。
夫婦岩の大きい方には侵食による穴が開いていたらしく、こちらを写す構図もいいですね。

雀島(夫婦岩)の日の出
ISO50 20mm F13 SS2.5

わずかに見えた空と日の色が海に映る。綺麗。

雀島(夫婦岩)の海
ISO50 24mm F16 1.6

撮影機材

参考までに。

カメラ

レンズ

近くで撮影すると、30mm(フルサイズ)の画角が限界って感じです。
それ以上狭いと岩が見切れてしまいます。

14~20mmが一番おさまりがいいような気も。

三脚

リュックの横にぶっさせる、小型で軽量。
それなりに丈夫。

レンズヒーター

5回くらいしか使ってないのに断線したのか、全然使えない。ダメ。
自作のやつの方がよっぽど優秀だった。

ソフトフィルター・ND8フィルター

ソフトフィルターは全体的にぼんやりし過ぎてダメ。そもそもフロントのソフトフィルターって好きじゃない(どうして買った?)

レリーズ

α7RⅢは電池を入れないと通常シャッターも切れない、というバグが仕様になっておりキレそう。ダメ。

まとめ

初の県外星撮り紀行・千葉県いすみ市の雀島でした。

一にも二にも天気が悔やまれますね。
まあ、台風が近づいているときは大人しく家にいろってことのようです。

ロケーションは最高だったので、今度は冬に来てみたいと思います(車で)。

砂にまみれた磯臭おばさんは、その足で新潟を目指します。

青春18きっぷ旅2日目の「新潟夜景編」と3日目「片貝花火大会編」もお楽しみに!

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