どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
愛知県豊橋駅と長野県岡谷駅を結ぶ飯田線。
その中にある秘境駅の一つ、千代(ちよ)駅を訪れました。
9月6日、とてもよく晴れた初秋の午後。
のどかな農村に位置する千代駅には、まったりとした時間が流れていました。
少しでも雰囲気を伝えていけたらと思います!
[box04 title=”飯田線秘境駅・単発レポ”]





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千代駅とは?
千代駅は、長野県飯田市千栄(ちはえ)に位置する、JR東海飯田線の駅です。
1932年(昭和7年)に開業し、単式ホーム1面1線を持つ地上駅になります。
隣は特急「伊那路」も停車する観光地の天竜峡駅ですが、わずか1,5kmほど離れただけでその雰囲気はすっかり失われてしまうんですね。
「秘境駅へ行こう!」の著者として有名な牛山隆信氏のホームページでは、「全国秘境駅ランキング」で25位にランクされました。(2019年現在)
JR東海も秘境駅として紹介していますが、実際には周辺に集落がある秘境駅です。
しかし1日の乗車数は約2人とほとんど利用がないため、秘境駅の名にふさわしいでしょう。
また、千代という縁起のよい駅名でも人気を集めています。
千代と呼ばれる地名は飯田市にあるのですが、千代駅が位置しているのは千栄地区。
(千栄の隣が千代地区にあたる)
どうして駅名は「千栄」じゃないのでしょう。……不思議です。
どちらにせよ縁起のよい名前ですはあります。
千代駅に行き方・時刻表
車の場合
千代駅は一見、山に囲まれた駅なのですが、裏には道路が通っており車でのアクセスも可能です。
天竜峡駅方面からは、県道1号を南下し諏訪神社の手前を右折。
平岡駅方面から来る場合も、県道1号線を利用して訪れることができます。
駅直前までは道も広く、民家や田畑が並ぶため秘境感はありません。
すぐ近くでは現在三遠南信自動車道の千代ICも建設中ですし、今後もっと開けた場所になっていく可能性もありますね。
駅の裏には駐輪場も存在しています。
電車の場合・時刻表
豊橋駅~飯田駅を運行している特急「伊那路」が隣の天竜峡駅に停まるため、豊橋方面からは比較的短い乗車時間でアクセスが可能です。
とはいえ千代駅に停まる電車は少ないため、乗り換え時間の調整が必要になります。
千代駅時刻表(平日・休日)※2019年9月時点
時刻 | 豊橋・平岡方面 | 天竜峡・岡谷方面 |
6 | 57 豊橋 ※快速 | 51 伊那松島 |
7 | 43 豊橋 | 37 伊那松島 |
8 | 28 飯田 | |
9 | 21 中部天竜 | 8 天竜峡 |
12 | 52 豊橋 | 4 天竜峡 |
14 | 10 岡谷 | |
15 | 14 豊橋 | |
16 | 48 豊橋 | |
18 | 46 豊橋 | 21 岡谷 |
19 | 44 豊橋 | |
21 | 15 平岡 | |
22 | 29 平岡 | 21 天竜峡 |
豊橋駅からは約3時間半。岡谷駅からは約3時間。
ちょうど飯田線の中間あたりに位置する駅になります。
1日1本、それも始発の6時57分という早い時間ですが、飯田駅~豊橋駅間の快速列車が停車します。
千代駅の様子
駅横には小さな踏切
では実際に千代駅の雰囲気を紹介していきます。
12時5分の真昼間、千代駅に到着しました。
降り立つと前後左右が緑で、山に囲まれているという感じがハンパじゃありません。
訪れたのは9月6日ですが、とても天気がよく景色は真夏のよう。
駅舎はなく、小さな待合室の小屋だけが立っています。
秘境駅の中では待合室が綺麗な方の駅です。
もちろん駅ノートもありました。
線路を前に、右手側には遮断機のない小さな踏切がありました。
構内踏切? と言っていいのか微妙なラインの踏切です。
上から見るとわかるのですが、踏切の先には畑が広がっています。
さらにその先に天竜川が流れていますが、小高い山のようになっているため千代駅からでは見渡せません。
踏切は畑の持ち主しか利用しなさそうですね。
「危険ですから通行しないでください」とあったため渡ってはいませんよ!
あれ、でもこれ線路内は通行禁止って意味なのかな?
……いや、そんなん常識だから多分踏切なのでしょう。
電車はたまたま通った伊那路です。
農村の駅
踏切の後ろは道になっており、民家があります。
ここら辺はまだ県内でも温暖のようで、南国っぽい植物も生えていますね。
こんなに近くに人の気配。
姿は見えませんでしたが、住んでいらっしゃるようです。
鳩の家みたいなものも(こういう雰囲気好きです)
道路を上っていくと、高台から千代駅を見下ろすことができます。
かなり鬱蒼とした道ですが、5分ほど歩くだけですぐに民家が並ぶ集落へと辿り着きます。
このような点からも、他の駅と比べると秘境駅という感じはやや薄めですね。
かつては砂利運搬を行う駅だった
千代駅は1面1線ではありますが、引込線が存在します。
[box05 title=”引込線とは?”]
駅のホームから少し離れた場所に設けられた、本線とは別の場所に列車を収容するための線路。
一般的には列車の番線変更のためや、一時的に車両を留置するために使われる。
工場や市場など、特定の場所に引き入れるために使われる線路もある。
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千代駅は単なる停車駅のひとつに過ぎません。
当然この場所で上下線を入れ替えることなどありませんし、どうしてこんなところに引込線か……?
そう疑問に思って調べてみると、千代駅は昭和40年代の初めまで天竜川での砂利を採取する場所だったことが判明しました。
採取した砂利を鉄道に積み込むためのホッパー※が飯田方面側(北側)にあり、そこまでの専用線路が駅から伸びていたようです。
※ ホッパーとは、採掘・採取した石炭や砂利などを出荷や積込みまでの間貯めておく貯槽設備である。
この引込線は、千代駅が砂利採取で栄えていたころの名残というわけですね。
以前はもっと北側まで伸びていましたが、今ではだいぶ短くなってしまったとのことです。
まとめ
飯田線秘境駅の中ではもっとも秘境らしくない秘境駅・千代駅の紹介でした。
ただ緑が多く、周辺には民家があったり農園があったりと、のどかな駅であることは確かです。
観光地の天竜峡もすぐ隣ですので、天竜峡に訪れた際には千代駅にも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
以上です。
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