どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
「2019年は星景写真ガチ勢になろう」と意気込んでいたものの、カメラが壊れてふりだしに戻りました。
星を撮りたいけど、おすすめのカメラは?
という疑問に今回、全力で立ち向かいます。
一言に『星を撮る』と言っても、いくつか種類があります。
- 星景写真:風景と星空を写すもの
- 星野写真:星空に主題がある。主に星座を写す
- 星団・星雲・銀河写真:望遠レンズを使用
- 惑星写真:望遠鏡を使い惑星を写す(月も含む)
③④に関しては天体写真とも呼びます。
天体写真
星景写真
私が撮っているのは、『星景写真』です。
そんなわけで今回は星景写真向きのカメラについての話になります。
前提として、星景写真はカメラそのものより条件が大事なのですが……
「撮影条件が同じ場合、より綺麗な写真が撮れるカメラは何なのか?」という視点で考えていきます。
メーカー、センサーサイズ、価格、と様々な点から、星景写真におすすめできるカメラを選びました。
「一眼カメラは持っているけど、星景写真に本腰を入れてみたい」という人向けです。
予算が高めに設定されているので、ご注意ください。
今後のカメラライフの参考になれば幸いです。
星景写真に適したカメラとは何なのか?
まずは星景写真用のカメラを選ぶ上で重要な点を挙げました。
おすすめのカメラをすぐに知りたい方は読み飛ばしてください。
そもそもどういうカメラが星景写真に向いているのでしょうか?
前提として、レンズが交換できる一眼カメラになります。
コンパクトカメラだと性能的に星を鮮明に写すことができません。
本格的に星空が撮りたいと思ったら、デジタル一眼カメラを購入する必要があります。
1. 高感度に強く、ノイズが少ないカメラ
ここが一番というくらい重要。
星景写真は暗所ゆえに、ISO値を少なくとも1600に上げての撮影になります。
できれば3200~6400くらいにはしたいところ。
しかしISO値が高いほど、写真はノイズが出てざらついた仕上がりになってしまいます。
(ISO3200 露出時間20秒 f/2.8 年式の古いエントリーモデル。拡大するとノイズが目立つ)
よって高ISO値(高感度)に耐えられることが必須になってきます。
どのようなカメラが高感度に強いかといいますと、
センサーサイズの大きいカメラ=フルサイズ機
です。
最近ではAPS-C機でも高感度に強いカメラは増えているものの、やはりフルサイズカメラの方に軍配が上がります。
フルサイズとAPS-C機の違い、センサーサイズといった単語が分からない方は、コチラをお読みください。
2. バッテリーの持ちが良い
星景写真ではファインダーが利用できません。
ライブビュー撮影になり、低気温の中で撮影することがほとんどです。
そのためバッテリーの消費が通常より激しくなってしまいます。
極力バッテリー消費を抑えられる機種であることが望ましいです。
以前は「ミラーレスはボディに熱が籠りやすく、バッテリーの消耗が激しい」と言われていました。
しかし近年は改善され、バッテリーの持ちがよい機種も増えてきています。
「星景写真は一眼レフ」とはもう言えなさそうですね。
3. バルブ機能が使える
シャッターボタンを押している間露光される、バルブ機能付きのカメラならなお良し。
最近の一眼カメラにはたいだい付いている印象ですね。
4. ライブビューモードで拡大ができる
星景写真では、ライブビューモニタに映った星を手動(MF)でピントを合わせていきます。
この時に拡大しないとピント合わせが出来ないので、ライブビューモニタが拡大できるものが良いです。(理想は10倍以上)
7年前の機種でも10倍まで拡大できるので、だいたいの一眼カメラはできるのでしょう。
5. できればバイアングルモニタ
レンズを上方向に向けることが多いため、必然的に屈んでの撮影になります。
腰が死んでしまいます。
そんな時に便利なのが、バイアングルモニタ。
縦スライドのみのチルトタイプではなく、左右にも回るバイアングルです。
しかし、今のところそこまで実装率は高くないようので、あればいい、程度でしょうか。
6. 明るく星景写真に適したレンズのあるマウントか?
カメラ単体では写真は撮れないので、レンズが必要になります。
最近は増えてきましたが、キヤノン、ニコンがミラーレスを出し始めたころは、まだ交換レンズが少ない印象を受けました。
明るく、かつ広角気味のレンズが星景写真には適しています。
レンズ種類の多いマウントを所持したカメラにした方が、あとあとレンズ選びで困らないかもしれません。
主にはこの6点が判断基準ということで。
約250枚の星景写真で使われているカメラを調査
今回参考までに、
ということを調べました。
「一番使われているカメラを選べばいいのでは?」と思ったからです(ぶっちゃけ)
集計には、写真投稿サイトである『PHOTOHITO(フォトヒト)』と、天体情報誌である『月刊 星ナビ』を利用しました。
以下の3つのポイントで、約250枚の写真を選んでいます。
- PHOTOHITOで『星景写真』を検索
お気に入り数の多い上位100名の使用機種を集計 - 同じくPHOTOHITOで『星景写真』を検索
更新順にて、新しく投稿している人上位100名の使用機種を集計
(期間はおよそ2018年2月~2020年2月になった) - 『星ナビ』の読者投稿ページである、「星ナビギャラリー」にて使用された機種を集計
(2019年10月号~2020年3月号分・計44点)
※ただし天体写真はここに含まない
1の場合は、2010年代半ばの写真が多く見られました。
最新機種も含めた使用率を知りたかったので、2でも集計をしています。
星ナビギャラリーは選考の末に掲載されるので、作品の完成度が高いです。
本格的に撮影している人ばかりで、彼らの使っている機種は参考になると考えました。
結果。
合計で5回以上登場した機種は、次の15点になります。
メーカー | 品番/品名 | PHOTOHITO お気に入りが多い100名 | 星ナビ ギャラリー 2019/10~2020/3 | PHOTOHITO 『星景写真』 最新2020.2~2018.2 100名 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
キヤノン | EOS 6D | 11 | 8 | 7 | 26 |
キヤノン | EOS 5D Mark III | 11 | 1 | 3 | 15 |
ニコン | D750 | 3 | 3 | 9 | 15 |
ニコン | D810A | 4 | 7 | 3 | 14 |
ニコン | D850 | 4 | 3 | 5 | 12 |
キヤノン | EOS 5D Mark IV | 5 | 1 | 5 | 11 |
キヤノン | EOS 6D Mark II | 1 | 4 | 6 | 11 |
ソニー | ILCE-7M3(α7Ⅲ) | 1 | 2 | 4 | 7 |
ニコン | D7500 | 1 | 5 | 6 | |
オリンパス | OM-D E-M5 Mark II | 3 | 2 | 5 | |
キヤノン | EOS R | 1 | 4 | 5 | |
キヤノン | EOS 5D MarkⅡ | 2 | 3 | 5 | |
ニコン | D810 | 2 | 1 | 2 | 5 |
ニコン | D5300 | 5 | 5 | ||
ニコン | D800E | 5 | 5 |
なんとなく予想通りの結果ではありますね。
全モデルは75種にものぼったので、上位以外の機種は下記PDFにまとめました。
参考までに。
この結果を踏まえつつ、星景写真に適したおすすめのカメラを紹介していきます。
星景写真におススメのカメラ9選
メーカーや形式、価格ごとに分けてみました。
キヤノンの星景写真向けカメラ3選
我らがキヤノンさん。
- 1位 EOS 5DMarkⅣ
- 2位 EOS 6D
- 3位 EOS 6DMarkⅡ
EOS 5D Mark IIIの上位互換ポジションにおさまることとなる機種でしょう。
約3040万画素、常用ISOは100~32000と高感度に強く、スペック面は5DmarkⅢ・6Dを大きく上回ります。
2種類のノイズ低減機能・タイムプラス機能など、星景写真に役立つ機能が搭載されました。
私も現在、EOS 6Dを使用中です。
タッチパネルでないことやバリアングルでないことは不満ですが、おおむね満足しています。
6DMarkⅡは一時期だけ所持していましたので、こちらで紹介しています。
>>【6D Mark2作例付レビュー】星空撮影におススメな4つの理由<<
ニコンの星景写真向きカメラ3選
ニコンといえば天体専用機として発売されたD810Aが人気です。
天体も撮れ、かつ星景写真もカバーできる。
ぶっちゃけこれが一番のおすすめ!!
……しかし今回は30万円を予算に設定しているので、D810Aは予算オーバー。
D810Aを除いた以下の3点が、ニコンの星景写真向けのカメラになります。
- 1位 D850
- 2位 D750
- 3位 D7500
購入場所によってD850は30万円を超える可能性が出てきますが、一応最安値が27万円ほどなので、候補に入れました。
星景写真に向いているミラーレスカメラ3選
最近強くなってきたミラーレスについても触れておきます。
ミラーレスの強みは、フルサイズ機であっても軽い点。
星景写真は三脚や赤道機など何かとかさばりますので、軽いカメラは利点になります。
ミラーレスで星景写真に向いていると考えるカメラは以下の3点。
- 1位 ソニー ILCE-7M3(α7Ⅲ)
- 2位 ニコン Z6
- 3位 キヤノン EOS R
各メーカーが出したフルサイズミラーレスの代表格、といってもよいでしょう。
個人的に欲しいと思うミラーレスはα7Ⅲ。
発売時期もほぼ同じで、3種に大きな差はないように感じます。
予算別・星景写真撮影におすすめのカメラ 10万円~20万円
これらのカメラを、価格別に見ていきます。
という方におススメなのが、以下の4機。
- キヤノン EOS 6D Mark II (\131,017~\176,875)
- キヤノン EOS 6D (¥105,994~¥159,367)
- ニコン D750 (¥111,000~¥151,277)
- ニコン D7500 (¥88,135~¥118,649)
※ 価格は2020年2月現在におけるおおよそのもの
10万円台前半~15万円前後で購入できます。
個人的にはあまり予算がない人は無理せずここらへんに留めて、レンズにお金を出した方がよいような気がします。
予算別・星景写真撮影におすすめのカメラ ~25万円
という方には、ミラーレス3機がおススメです。
「一眼レフがいい」という場合は、少々予算をあげてEOS 5D Mark IVを購入するか、10万円台の上記を購入するのが良いでしょう。
予算別・星景写真撮影におすすめのカメラ 30万円前後
という方は、
- キヤノン EOS 5D Mark IV (\216,800~¥302,403)
- ニコン D850 (\277,987~\313,967)
あたりを思い切って購入しても良いかもしれません。
ここまで予算が出せるのであれば、D810Aに手を出してもいいような気もしますが……
そうは言っても5万の差が大きいですね。
総評 星景写真に向いているカメラベスト3
総合判断をして、星景写真向きのカメラ(予算30万円以内)ベスト3の発表。
- 1位 ニコン D850
- 2位 キヤノン EOS5DMarkⅣ
- 3位 キヤノン EOS6D & ニコン D750
正直、今回あげた9機はどれもおススメです。
ここまでに来たら撮る人間と腕と条件次第、あとレンズ、みたいなところがあります。
重さは使っていくうえで重要になるので、購入前に一度触ってみる方がよいですね。
私はキヤノンユーザーなので、レンズの兼ね合いもありますし5DMarkⅡが気になっています。
ただ予算を考えると、実際に購入するのであればEOD6Dです。
一方でミラーレスであるのなら、ソニーが気になっています。
理想は星景写真用に一機(重くても構わない)+ミラーレスのカメラ。
普段使いはミラーレスを中心にする、でしょうか。
いずれにせよ無職が考えることではありませんが……。
と思われるかもしれませんが、やはり2大メーカーが強いかなと思います。
強いて今回上げていないメーカの機種を上げるとすると、
オリンパスの「OM-D E-M1 MarkII 」
リコーの「PENTAX K-1 Mark II」
あたりは星景写真向きじゃないかな? と思いますが、こだわりがなければキヤノン&ニコン(+ソニー)から選ぶのがよいと判断しました。
そんな感じで最終的には好みの問題になると思います。
9機の基本スペックを比較してみましたので、参考までに。
星景写真を撮る上での項目を重視したので、詳細は省いてあります。
モデル | D850 | EOS 5D Mark IV | EOS 6D | D750 | EOS 6D Mark II | D7500 | Z6 | ILCE-7M3 (α7Ⅲ) |
EOS R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
メーカー | ニコン | キヤノン | キヤノン | ニコン | キヤノン | ニコン | ニコン | ソニー | キヤノン |
有効画素数 | 約4575万画素 | 約3040万画素 | 約2020万画素 | 約2432万画素 | 約2620万画素 | 約2088万画素 | 2450万画素 | 約2420万画素 | 約3030万画素 |
有効センサーサイズ | 35.9×23.9mm | 36.0×24.0mm | 35.8×23.9mm | 35.9×24.0mm | 35.9×24.0mm | 23.5×15.7mm | 35.9×23.9mm | 35.6×23.8mm | 35.9×24.0mm |
形式 | 一眼レフ | 一眼レフ | 一眼レフ | 一眼レフ | 一眼レフ | 一眼レフ | ミラーレス | ミラーレス | ミラーレス |
画像エンジン | EXPEED 5 | DIGIC 6+ | DIGIC 5+ | EXPEED 4 | DIGIC 7 | EXPEED 4 | EXPEED 6 | BIONZ X | DIGIC 8 |
シャッター速度 | 1/8000~30秒 バルブ |
1/8000~30秒 バルブ |
1/4000~30秒 バルブ |
1/4000~30秒 バルブ |
1/4000~30秒 バルブ |
1/8000~30秒 バルブ |
1/8000~30秒、Bulb | 1/8000-30秒 バルブ |
1/8000~30秒 バルブ |
ISO感度 | 64~25600 | 100~32000 | 100~25600 | 100~12800 | 100~40000 | 100〜51200 | 100~51200 | 100-51200 | 100~40000 |
モニター | チルト | チルト | バリアングル | チルト | チルト | チルト | バリアングル | ||
大きさ | 約146× 124× 78.5mm |
約150.7× 116.4× 75.9mm |
約144.5× 110.5× 71.2mm |
約140.5× 113× 78mm |
約144.0× 110.5× 74.8mm |
約135.5× 104× 72.5mm |
約134× 100.5× 67.5mm |
約126.9x 95.6x 73.7mm |
約135.8× 98.3× 84.4mm |
重量 | 約915g | 約800g | 約680g | 約750g | 約685g | 約640g | 約585g | 約565g | 約580g |
発売日 | 2017/9 | 2016/9 | 2012/11 | 2014/9 | 2017/8 | 2017/6 | 2018/11 | 2018/3 | 2018/10 |
電源 | 常温(+23℃) 約300枚/ 低温(0℃) 約280枚 |
常温(+23℃) 約220枚/ 低温(0℃) 約190枚 |
常温(+23℃) 約380枚/ 低温(0℃) 約340枚 |
液晶モニター使用時: 約710枚 |
常温(+23℃) 約370枚/ 低温(0℃) 約350枚 |
||||
バッテリー | EN-EL15b, EN-EL15a |
LP-E6N/ LP-E6 |
LP-E6 | EN-EL15b,EN-EL15 | LP-E6N/ LP-E6LP |
EN-EL15b | EN-EL15b | NP-FZ100 | LP-E6N/ LP-E6 |
この9機についてはいずれ実際に使用し、より具体的な紹介記事にしていきたいと考えています。
以上です。
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