どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
撮影へ行っても撮りっぱなしでレタッチもしない……なんて有様が数年続いており、そんなんだから上達しないのだなあと反省している次第です。
で、否が応にも作品を完成させるため定期的にブログへのアップを決めました。
とりあえず月1を目途に更新していきます。
第一弾は長野県木曽町にある白川氷柱群。

読み方は「ひょうちゅうぐん」らしいです。ずっと「つららぐん」って読んでました。
冷静に考えたら「つらら」ってなんだよ。どこにラの要素があるんだよ。
この手の熟字訓は世の中にたくさんあるのに、改めて考えると「どこで区切るの? つら・ら? つ・らら?」とかなんとか、けったいで体がもぞもぞしてきますね。
田舎とか(熟字訓には区切るという概念は存在しない)。
さておき、白川氷柱群は以前エッセ理不尽シリーズで紹介した観光地です↓
木曽はとても空が暗く、冬でも行きやすいため好きな撮影地であります。
ただこの場所は星空撮影の難易度が高いうえ、年々撮影が厳しくなるだろうと感じました。
そういう所感を含めつつ撮った写真を紹介していきます。
木曽白川氷柱群、厳冬期でも行きやすい

白川氷柱群は滝ではなく岩壁からしみ出た伏流水が凍っているだけなので、厳冬期にしか見られません。
春以降は普通の岩壁沿いに川(西野川)が流れているだけの光景かと思われます。
こんなに水を含んだ地層なら春先の雪解け時に壁がグズグズになって崩壊するんじゃね? とか疑問なわけですが、未だ崩れていないので大丈夫なのでしょうね。自然は不思議です。
ともあれ1~2月中旬の厳冬期だけなので、基本は冬の星座の撮影です。
道は暗いものの駐車場から徒歩3分ほどなので、比較的行きやすいのが魅力。

ちなみに駐車場は温泉宿「けやきの湯」の敷地を使わせてもらえます。
(利用は一言断ればOK、とのことですが常識外の時間にドアを叩くのは憚られるので夜は静かに止めて訪問しています)
アクセスが知りたい方は余談ばかりですがコチラの記事をご覧ください。
この時期になるとクマクマ大国の長野も静寂を取り戻すので、その点でも安心ですね。
問題はマイナス10℃近を下る気温ですが、巨大な岩壁で風がブロックされているのか意外と寒くありませんでした。
ただ、こんな氷の塊が身近にあるのでそれなりの防寒対策は必要です。
雪で滑るし大きい岩に足を取られるしで、歩きづらい場所でした。足首がしっかり固定されたブーツがよさそう。
↓私の愛用靴。
21時半までライトアップあり、撮影時間がシビア
南~南西側に氷柱壁があるので、氷柱を入れつつ左右の空(東または北西)を狙います。

ISO2500 F1.8 SS30秒(赤道儀追尾)1枚撮り
ちょうど高度が増して来たオリオンやら大三角やらをおさめるって感じですね。
ただ、一番の問題点は21時30分までライトアップをしている点です。
工事現場みたいな品性の欠片もないライトにソフティな殺意を抱いたりします。


この頃には雪がある程度積もっている
野球のナイター会場を思わせるどぎつい照明で(野球の試合なんて見たことないけど)、星などひと粒も見えません。
で、困ったことにライトアップが終わるころには、オリオンが氷柱群上の木に隠れ始めてしまうのです。

17mm ISO6400 F2.8 SS30×16
なんでこんなに露光時間長くしたのかよくわからないけど、暗かったのだと思う
ソフトフィルターを付けて、隠れかけた星を無理くり目立たせるのが唯一の解決法でしょうか……。

上の写真はほぼ南中した太陽ですが、冬といえどもっとも高い太陽ですら隠れ気味な点からも氷柱群の高さがわかるかと思います。
とにもかくにも壁。
氷柱からはそれなりに離れないと、すぐに冬の星座たちがお隠れなすってしまいます。
また21時半ってのが鬼門なんですよ。せめて30分早めてくれないものでしょうか。
もしくは休日のみ21時半にするとか。
平日の21時過ぎに「よ~し今から氷柱見に行っちゃうか~」とかなる人いる?
いないでしょ、こんな山奥に。休み取ってくるならもっと早く来てよ。会社帰りならどうかしてるよ……。
しかも私が行った日は21時半になっても電気が消えてくれず、結局消灯したのが21時50分でした。
たかが20分、されど20分。星の位置はだいぶ変わってしまいます。
当初予定していた位置ではオリオンが見えなくなってしまったので、急遽移動。
で、再セットアップ中にタイミング悪く電気が消え、さらにロスタイムとなりました。
まあ、そんな感じでとにかくも困った場所です。
2024年1月16日に訪れましたが、南東を撮影できたのは21時50分からおよそ30分。
22時半も過ぎると難しいのではないかと思います。
ライトアップ時間がどうにかならんもんかと町に掛け合いたいけど、クレーマー紛いだろうから心の中で願ってます……。
撮影時期は1月半ばがベストか
だったらもっと早い12月とかに行けばいいんじゃね?
で解決できないのが、この撮影地の難しさ。
白川氷柱群は12月から段々育ってゆき、例年2月上旬くらいの厳冬の時期にピークを迎えます。
年によって差はあるものの、1月中旬までは氷のサイズがイマイチなんですね。
正直、今回行った際もやや迫力不足を否めない状態でした。
しかし氷柱が十分に成長した2月まで待つと、ライトアップ終了時刻にはオリオンなんかもうどっか行っちゃっているわけです。
結局、東側の空を撮るのであれば1月半ば~後半が最適だと判断しました。
一周回って2月半ば過ぎのライトアップ期間が終わった後に行けばいいのでは? とも思いますが……どうなんでしょう。暖かすぎる?
また、暖冬などで氷柱の成長が遅い年も出てきており、今後さらに冬の星座と合わせた撮影は難しくなるのではないかと感じました。
北西の空は良さげ
東側に気を取られていておろそかになってしまったのものの、北西のロケーションも捨てて置けません。

ISO400 F5.6 SS950秒 1枚撮り
川の流れの先にちょうど北極星が来るような構図が撮れます。
あと倍くらい露光しても良かったですね。
この日は次に向かう場所がまだあったので、早々に切り上げてしまいました。
とにかく暗く月明りが欲しい
さすが木曽、まあ暗い暗い。
とはいえここは氷柱がメインなので、前景を美しく撮りたいところであります。
ただ、暗すぎてISO8000とか10000でもF2.8レンズだと黒つぶれが生じてしまう。

15mm ISO8000 F2.8 SS20秒
スタックやら新星景などを選択肢に入れると、時間的に1~2カットしか撮れないかもしれません。
後者に至っては20~30分の長時間露光はほぼ不可能な気がします。
一応挑戦してみましたが、基準画像を撮り忘れてしまったがゆえに空と地上のマスク処理が恐ろしく面倒になったうえ失敗しました。
私はこういう細かい箇所のマスク処理がいまだわかっていません。

ISO2500 F4.0 SS100秒×5
ISO2500 F3.5 SS160秒×1
樹木が近くにあるので、シンプルな赤道儀追尾もちょっと拡大すると風景ブレが気になるな~という印象。
北西に月があるタイミングを狙えば、前景が一番きれいに写るのかもしれません。
まとめ
昨年は全体的に積雪が少なく岩壁も雪がないお禿げだったので、いずれリベンジしたいです。
岩壁が薄っすらと雪に隠れ、月明りに輝く……なんてシチュエーションが理想。
北西側も撮りたいカットがありますし、まだまだ撮り甲斐のある場所ですね。
2025年は暖冬かと思いきや氷柱の成長具合や積雪も良好らしく、期待できます。
「けやきの湯」でひとっ風呂浴びてホカホカしながら星空観賞もオツかもしれません。
いや、実際には瞬間湯冷め案件だろうけど。
そんな感じで今年もボチボチ星撮りをはじめていきたいと思います。
使用機材
タムロン SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012)