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バドミントン小説おすすめ5選ー部活動は青春だ!ー

バドミントン小説

さて、久しぶりの読書感想。バドミントン小説をおすすめしていく。
今日はタイトルが簡素。

先日(12月1日)バドミントンの全日本総合が終わり、「桃田選手※やっぱやべぇ~」とか思いながら、ふと世界ランキングを覗いて驚いた。
※ 世界選手権・全日本総合2連連覇。2019年12月現在世界ランキング1位

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(出典:BADMINTON SPIRIT

日本のバドミントン今めちゃくちゃ強くないか? 特に女子のダブルス。
20年の東京五輪でも、間違いなくいくつかのメダルを獲得する競技になるだろう。

ただその強さとは裏腹、世間の注目度がイマイチ低い。
実際バドミントンがもっとも注目を浴びたのが、桃田選手の違法賭博問題だったというのだから、なんともまあ皮肉な話だ。
(試合自体が放送されないから仕方ないのかもしれない)

それともう一つ残念な点があり、それが……

漫画や小説が少ない! ということ。

野球・サッカー・バスケ・陸上あたりはメジャーであり漫画や小説も多いが、バドは片手で数えられてしまうほどしかない。

競技人口は上記のスポーツと同じくらい多くて、実力も高い。
それなのに創作物は少ない。

非常に残念。
まあ、前置きはさておき、少ないこともありバドミントン漫画・小説はだいたい網羅してしまった。
今回はその中で面白いバド小説の紹介と感想を書いていこうと思う。

バドミントン小説おすすめ5選

どうもバド小説はライトノベル~ライト文芸系が多く、一般文芸は見当たらなかった。

ラブオールプレー シリーズ


著:小瀬木麻美
発行:2011年(ポプラ文庫)
おすすめ度:

『ラブオールプレー』あらすじ

中学3年生の秋、水嶋亮は全国の強豪校・横浜湊高校からスカウトを受ける。
最後の大会は県大会ベスト4。
とりわけ才能もない自分が選ばれた理由もわからないまま、亮は横浜湊高校に進学を決めた。
そこにいたのはバドミントン界期待のエース・遊佐賢人。全国区の双子ダブルス・東山兄弟、クールな帰国子女・松田。
個性な仲間たちと全国の頂点を目指す日々が始まる。
やがて自らを凡人だと思っていた亮は、遥か高みの世界に足を踏み入れていることに気づき――

驚くほど純粋で、最もストレスフリーで読むことができる小説。
というのも、この小説は基本的に主人公が逆境に立たされることがない。

強豪校からのスカウトを受けるシーンから始まり、それでいて超進学校の進学クラスに一般合格を果たす。(さらっとやばいレベルの文武両道)
競技歴が短いため最初こそ成績は突出していないが、中盤からは普通に天才。
そもそも中学から競技を始めて県ベスト4の時点で本当は才能がある。

練習すればするほど順調に伸び、まるで水を吸うスポンジのように伸びていく。
ダブルスの兄弟や、水嶋と同等の実力でライバルとなる松田といった周りの人間も順調に成長。
チームももちろんメキメキと実力を伸ばし、全国の頂きへと手を伸ばしていく。

この作品にはたとえばレギュラーの枠を巡って仲間同士でいがみ合ったり、先輩後輩が対立したり、主人公が怪我をして再起不能になりかけたり……

などという落ちの部分がほとんどない。珍しいストーリー構成。
なんというか、進研ゼミの漫画みたいな。
どちらかと言えば最近のなろう小説に近いかもしれない。

物語としてどうなんだ? と思わなくもないが、『光しか当たらない』という点がウリでもあるらしい。

正直なところ、ストーリーそのものにワクワク感はなかった。
ただ試合シーンは臨場感高く書かれていて、文章に関しても高い筆力を感じた。

大会シーンも多く、個人戦団体戦ともに、試合の流れが想像できるような細かい描写がされている。
とはいってもこれはあくまでにわかプレイヤーによる感想なので、バリバリプレイをしていた人には少し物足りないかもしれない。

実際にモデル校があるので取材もしているのか、合宿シーンなどもリアル。

ストーリーよりも試合シーンを求めている人におススメできる。
自分はバド小説が書きたくて参考書を探していたため、この作品は参考になった。

残念なポイントとしては、主人公が淡々とし過ぎていて欠点がないせいか、スポーツモノには合っていない。
ただ偏見かもしれないけれど、リアルでもバドミントンプレイヤーはそういう人が多いような気がする。

この作品は全4部作になっており、

  • 風の生まれる場所
  • 夢をつなぐ風になれ
  • 君は輝く!

という続編が存在する。

『風の生まれる場所』は、本編で掴みどころのない奇才として描かれていた遊佐の視点の物語。
『夢をつなぐ風になれ』は、その遊佐とダブルスを組んでいた男・横川が自分たちの実力差に悩む話。
(君は輝くは短編集)

どちらかと言えばストーリーは2弾3弾の方がスポーツものらしくて面白い。
おすすめ度はくらい。

どうでもいいけれど、時々妙にホモくさく見える描写が気になる人には気になるかもしれない(いや、ホモではないんだが)
そこらへんは女性作者ということもあり、趣味が入っているのだろうか。違ったら申し訳ない。

スマッシュエース


著:朽葉屋周太郎
発行:メディアワークス
おすすめ度:

『スマッシュエース』あらすじ

かつて日本を背負う選手になると期待されていた少年・黒野翼。
中学時代に事故で右腕を故障した翼は、バドミントンの世界から退いたと人々に思われていた。
しかし翼は諦めることなくラケットを握り続ける。
そんな彼が出会ったのは、誰よりも高く速い打球を放つ少年・水木。
「俺は、スマッシュが打てない」
「俺は、スマッシュしか打てない」
二人であれば翔べるのではないか。
奇跡を追い、少年たちはもう一度走りだす。

選手生命を断たれた少年が、ダブルスでもう一度競技を続けていくストーリー。

高身長と跳躍力でトップクラスの鋭い打球を放つ水木を見て、翼は「彼とであればもう一度翔べるのではないか」と考える。

水木のスマッシュは高校生の中でも群を抜いているが、彼はスマッシュしか打てない。
対する翼は肩が上がらないためスマッシュを打てない。
互いの欠点を補う形で、二人はダブルスを組む。

現実的にはそのようなスタイルは不可能だろうが、物語としては十分楽しめた。

基本的にダブルスのみに焦点が当てられており、珍しく団体戦など部活動としての描写はほとんどない。
(というか男子バドミントン部が人数不足で機能していない)

「もう競技は出来ないから諦めろ」と言われても諦めない翼の驚異的なメンタルに驚かされる。
競技にこだわり続ける理由ももちろん作中で明かされていくわけだが、その理由も含めてこの主人公には好感が持てた。

一方水木はぼんやりとした木偶の坊のような男だ。スポーツマンらしくないけれど、デコボココンビとしてはバランスがいいのかもしれない。

頑張ることはムダではないと教えてくれる一冊。

かもめ高校バドミントン部の混乱


著:朽葉屋周太郎
発行:メディアワークス
おすすめ度:

『かもめ高校バドミントン部の混乱』あらすじ

バドミントンに分かち合うものなどいらない。
シングルスプレイヤーとして自らの力を過信していた南太一は、入学した高校で先輩たちとの実力差に愕然とする。
めげずに続けていこうとした太一が命じられたのは、ダブルスプレイヤーになること。
しかも相手は禍根を残して敗北したライバル・伊波圭介。
マイナスコンビと、高みを目指し続ける高校生の青春部活ストーリー。

同じくも朽葉屋さんの小説。
スマッシュエースと合わせて試合シーンがもっとも緻密であるのは朽葉屋さんの作品なので、もしかすると経験者なのかもしれない。

こちらは高校の団体戦と、その中のダブルスに視点を当てた物語。
犬猿の仲である伊波とコンビを組み、ケンカをしながらもダブルスとして成長していく姿が見られる。

主人公の太一にはとりわけ才能がある訳ではなく、どちらかというと凡才。
それを象徴する話として、高校から競技を始めた同級生と太一との試合場面がある。

彼は運動経験もなく頼りない雰囲気を醸し出すひ弱な男なのだが、素直にアドバイスを取り入れて驚異的な速度で成長していく。
わずか3ヶ月ほどで自分と対等に戦う様になった姿を見た時、太一は「自分がこいつに勝てるのは今が最後だ」と認めたくない思いを認める。

このシーンが個人的に印象的で、『絶対に越えられない才能』という壁が確かにこの世界には存在していることを思い知らされた。

そうだとしても愚直に上を目指していくという、泥臭くリアリティのあるストーリー。
ゆえにすごくスカッとした展開なんかは少ない。

先輩後輩間のちょっとしたギャグ的なやりとりがあったり、男女の色恋沙汰も少しあったりと、コメディ色もややある。

マイナス・ヒーロー


著:落合由佳
発行:2017年(講談社)
おすすめ度:

『マイナス・ヒーロー』あらすじ

プレイヤーとしての道を諦めた久能凪には、ヒーローがいた。
幼いころから自分を見下して来た兄・航に打ち勝った少女・羽野海。
しかし眩しい記憶の彼女は、万年準優勝の「シルバーヒーロー」と揶揄されるようになっていた。
中学生になり再会した海から、凪はひとつのお願いをされる。
「久能くん、アドバイザーになって、私を勝たせて」
再びバドミントンの世界に戻った少年は、少女に金メダルを取らせてあげることができるのか。

一番最近読んだ本。
斬新なのは、主人公は現役のプレイヤーではないという設定。

彼は虚弱体質ゆえにプレーができず、小学生の時点で競技からは退いている。
ほぼ無理矢理任される形で、マネージャーとして海を優勝へと導いていく。
(やれやれ系主人公に近い)

プレイヤー視点ではなく観客側からの視点として試合シーンが読めるのは新鮮だった。

中学生がマネージャーとしてコーチングをする能力があるのか? という疑問は感じたけれど、どうやらこれは児童書に分類されるようだから主人公の年齢が低く設定されているのかもしれない。
高校生でもいいのではないかとは思う。

主人公の挫折や部員との衝突、そういう負の面がよく書かれている。
一方で海が毎回決勝戦で競り負けてしまう理由がイマイチ薄かったので、もう少し彼女についての掘り下げが見たかった。

個人的に凪が海のことをやたらと「あんた」と呼ぶのが気になった。
キャラ的に「おまえ」ではないにせよ、男が使う「あんた」には違和感を抱いてしまう。

小説版 はねバド!


著:望月唯一(原作:濱田浩輔)
発行:2018年(講談社ラノベ文庫)
おすすめ度:

『小説版 はねバド!』あらすじ

自分は天才だと、かつて若柳小町は信じていた。
しかし早く咲いた花は、早く散る。
中学で自らの限界を悟った小町は、最後のつもりで見に行ったバドミントンの試合で『三強』の一人、志波姫唯華のプレイに圧倒される。
もう一度競技に向き合おうと志波姫を追って強豪校へ進学した小町。
そこで新主将として手腕を振るう唯華と再会するが、コートを離れるとまったく別の顔を見せることを知り――
フレゼリシア女子短大付属高校を舞台にした、漫画はねバド!の外伝小説。

漫画「はねバド!」の外伝小説。
と言っても主人公である綾乃はまったく出て来なくて、全国の強豪校として知られているフレ女の外伝。
ここでの主人公若柳は、原作ではまったく登場しない。
ゆえに原作未読者にも読める小説になっているため、紹介しておく。

早熟の主人公が一度は競技を離れることを決意するが、トッププレイヤーの姿を目にしてもう一度競技に向き合う話。

初めての女主人公! そして女子バドミントン!
いやー、嬉しい。お風呂シーンとかもあったしね!
もう少し女子バドミントン部を主題にした小説が増えて欲しいと願うばかりである。

原作ファンサービスということもあり、日常回(部活中ではある)が多い。
先輩や同期との仲を深めたり、合宿をしたり、その仲で成長したり……。
THE部活モノ、という感じ。
一方で試合シーンや大会シーンはあまり多くない。

バドミントン小説としてはややバドミントンの描写に欠けるが、主人公の心情を一番丁寧に書けているのはこの作品だと思う。
主人公にもっとも共感を抱けるのも、また。

この作品を読むと、誰もが勝つためだけの競技を続けられるわけではないことを思い知らされる。
そして勝ちにこだわる者だけが、上の世界に居続けられるのだと。

ラスト、小町が最終的にした決断は外伝小説だから許されるものになっている。
さすがにこれを単体の作品として出すのは、スポーツものとしてはマズいかな、というエンディング。
個人的にはあり。非常に素晴らしい締め方だと思った。

一人の女の子がバドミントンという競技と向き合い居場所を探す話なので、原作未読者にもぜひ勧めたい。

バドミントン小説まとめ

やはりスポーツものの作品は良い。
作品数が少ないのが残念だが、究極の青春という感じがある。

野球や陸上のようにもっと作品が増えてくれれば良いのだが、基本ラリーを続けるだけの試合を書くというのは難しいのだろうか。

私も一度バドミントン小説を書いたことがある。
確かにもう二度と書きたくない、と思うほど試合シーンが難しかった。
シャトルの行ったり来たりをいかに単調にならずに書くか、頭を悩まされる。

それはさておき、五輪を機にもっとバドが注目されて欲しいし、あわよくば小説も増えて欲しい。

小説もいいけど競技自体も楽しいよ、と宣伝しておく。
以上

はねバド!最終回感想
【はねバド!最終回感想】綾乃たちの未来を語る(ネタバレあり)goodアフタヌーンで連載していたsバドミントン漫画「はねバド!」が、2019年11月に最終巻16巻をもって堂々の完結を迎えた。発売日から少々時間が経ってしまったが、感想を交えながらそれぞれが選択した彼女たちの未来について書いていきたい。...

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