我は湖の~子 さす~ら~いの~
どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
この記事はいま、滋賀県某所のネットカフェで半裸になりながら書いています。
エアコンが壊れているのか、ストリップカフェにしてやろうかというくらい暑いです。
さてさて、今夜の私は一夜限りのネカフェ難民。
きっかけは「月が撮りたい」、ただひとつの感情でした。
それがなぜ、故郷を懐かしむ小口太郎状態になってしまっているのか……とくとご説明してまいりましょう。
プロジェクトエークスッ! エークスエークス……クス
画像使い回し(3回目)
たっぷり聴いてブログ滞在時間を伸ばしてね♪
序章:我が家は焼肉屋さんと邂逅した準備編
遡ること半年。
5月26日、皆既月食が全国的に悪天候だったのは記憶に新しいはずです。
かくいう私も千曲市で「Fu○k youーー!!!!」と頭を抱えていました。
たまたまインタビューをしてきた地元紙の方にも、
11月にリベンジします!
となぜかアスリート気取りで答えたわけですが、ついにリベンジの時がやってきました。
11月19日、97%が影になるほぼ皆既の月食です。
1ヶ月前から「レンズは何を使おうか」「どこで撮ろうか」「天気は大丈夫か……」とやきもきしつつ準備してきました。
海もいいかな、と茨城の大洗海岸や、千葉の津々ヶ浦などを候補地に。
しかし数日前から、東日本太平洋側の天気が怪しくなってきたのです。
これは長野から出ない方が正解なのでは?
そう考え、前日には地元で撮る気満々で近所の山へロケハンに行きました。
標高2000m近い山でも徒歩40分で行ける、これが長野クオリティ。
なぜか落ちてた「我が家は焼肉屋さん(未開封)」。
お山登ってたら道中で見つけた「我が家は焼肉屋さん(未開封)」が今日のMVP
— あまぼしすずめ@無職ブロガーin信州 (@S_amaboshi) November 18, 2021
どんな経緯があれば登山に焼肉のタレ持ち込んで落とすんだろ… pic.twitter.com/j4o4aDYylp
誰ですか、国定公園を我が家にするどころか焼肉屋にしようと試みているのは!
頂上の眺めは激烈に良く、タイタニックごっこにおあつらえ向きのデッキもあります。
構図の候補としては、
70mmほどの画角で蓼科山と白樺湖を入れたカットと、
天空の御柱と月食の全容を写すカットを想定しました。
……どうでもいいけど、こんなところまで木を曳いてくるのは狂気の沙汰。
そして三脚2本とカメラ2台、レンズ3本を引っ提げての登山も大概で、やや憂鬱になりながら下山します。
半月前に痛めた膝がまだ治っていないのです(安静にしていないから)
当日朝、急きょ予定変更
寝る前に天気予報を見たら、晴れだったはずの長野がドン曇りになっていました。
これだから天気予報と自称ぽっちゃり系は信用なりません。
「長野が駄目なら三重あたりにでも行こうか……」と考えつつも眠かったので、晴れることを祈りながら床につきました。
明日になれば予報も変わる。アーメン。
こういう根拠もない楽観性こそが、私のニートたるゆえんです。
さて、翌日。
長野どころか三重も曇り予報ではありませんか。ガッテム!
かくなる上は西へ。
脳内ではすでにGo Westが流れ出してます。
しかし、関西となると撮影地がまったくわかりません。
慌てて頭をフル回転させ、候補地を考えました。
- 岐阜 CGみたいにデカイ月と岐阜城が撮れることで有名 ただし超望遠レンズでないと無理そうだから除外
- 京都 なんかいいところいっぱい。でもたくさんありすぎて逆にわからない(頭の悪そうな感想)
- 大阪 たこやきおいしい
- 兵庫 たこが獲れる
- 岡山 きびだんご
私の関西に関する知識なんてひどいものです。
結局、滋賀県大津にある満月寺浮御堂(まんげつじうきみどう)に決めました。
満月寺っていうくらいだし月と合わせていい感じやろ!
なんて安直なことでしょう。
どうやらこのお寺、月が出る17時には閉まっており(なんのための満月寺だ?)、横にある緑地から撮影するようです。
絶対バーベキューやらせない、って圧がすごい。
北東側を狙うと、お堂と月がセットにできるのではないか……。
私の脳内
そうと決まれば準備に取り掛かります。
1500秒で支度をして、家を飛び出しました。
電車、逃す
……天気、良すぎひん?
駅までの道中、6時間後には曇ることが信じられないほど抜けるような晴天が広がっていました。
私が現状もっとも信頼をおいている天気予報ツール・SCWさんも今日に限って30分ごとに快晴になったり曇ったりと、完全にバグっています。
まったく、肝心な時につかえない。私のようだ。
できることなら撮影地は変えたくありません。
どうしようか……
駐車場で二の足を踏んでいるうちに、電車を1本逃してしまいました。
戦場なら即死ぬタイプです。
即断即決ゥ。
懐かしのえなりことCさんもそんなことを言っていた気がします。
(Cさんを知らない人はこの記事を読んでね。ヤバい人だよ。)
二の矢を受ける
よし、行こう!
覚悟を決め、名古屋行の特急電車に乗りました。
――と思ったら、
この電車は松本、篠ノ井に停まり終点の長野駅まで~~
なんておっしゃっているではありませんか!!!!
ドリフだったら座席ごとひっくり返ってるよ!
同じホームに止まっていた反対側の電車に乗り込むという漫画のドジっ子みたいな失態を犯し、真逆へと向かっているようでした。
わたしすずめさん。
— あまぼしすずめ@無職ブロガーin信州 (@S_amaboshi) November 19, 2021
今、名古屋に行く電車に乗ったつもりが長野行きの特急電車に乗ったの…
発狂しそう。
とはいえ、そこは私。
特技は真顔で道に迷えることと便意に耐えられること。
大学受験のとき、駅から適当な人の流れに乗っていたら全然違う大学にたどり着き、何食わぬ顔でターンを決めた人間です。
しれっと松本駅で下車し、大きなおにぎり(鮭)を食べ始めました。
三の矢まである
約1時間待ち、気を取り直して特急しなの号「名古屋行」へと乗車します。
――が。
線 路 に 木 が 倒 れ て 電 車 が 止 ま る。
私の乗った電車ではありませんが、線路内の木と車両とが衝突し、電車に遅れが出ました。
線路に倒木……? えぇ……? 今?
19年に京都へ行った際も、謎のトラブルで1時間閉じ込められましたし、今回も結局1時間の遅れ。
ワイドビューしなの、よほど私を離したくないようだ。勘弁してくれぇ~~。
弁慶状態の撮影
17時。3時間遅れてへろへろ状態になり満月寺へ到着しました。
なんと、ここまでで2500文字。
一体これが何の記事だったかも忘れそうです。
そしてすでに月も昇っています。
しかも、想像よりだいぶ東側。
そのため浮御堂と一緒に写そうとすると、小さくなってしまいます。
12月だったらもう少し北側でいけたかもしれません。
あるいは琵琶湖に入れば……。
とりあえず1台は三脚に固定して撮影開始。
が、別のカメラをいじっているうちにSDカードが終わっていたらしく、10枚くらいしか撮れていませんでした。
慌てていたからピンボケ!
構図におっちゃんもIN!
踏んだり蹴ったり。
やはり撮影は、
- 早めに着く
- 明るいうちから構図決め
- 落ち着いてピント合わせ
の3点が大切ですね。
「はあお」です。絶対覚えられません。
予定とはだいぶ違うものの、何かしら撮って帰らないと気が済まないのでどうにか撮影したのがこちら。
風景と月を合わせるって難しいですね。
月も動いているから、数秒単位で露光すると伸びてしまうんですよ。
ここら辺の設定ももっと事前に調べておくべきでした。
三脚も1本しかないため、もう一台のカメラは地面において這いつくばって撮ったり。
マフラーや帽子で高さを出したり。
茂みに入っていたので全身はバカだらけ(類友!)
途中、レンズキャップを落としたというオジサンとキャップを探したり。
まあ、それなりに楽しく2時間ほど撮影をしました。
(手袋紛失マイスターの私は、案の定手袋を落として帰ってきました)
さすらいの身
突発的だったため、帰りの電車など調べておりません。(終電は18時半だったらしい。どう頑張っても間に合わない)
宿の予約もまたしかり。
レンタカーが借りられたら車中泊をする予定でしたがそれも叶わず、宿泊できそうなネットカフェを探します。
京都だと女性も泊まれるカプセルホテル(しかもオシャ)なところがいくつかあるようです。
けれど普通のホテル宿泊と変わらないくらいお高いので、みんな大好き快活CLUBへ行きました。
もっとも宿泊に適したネットカフェ。
- 鍵付き個室がある!(店舗による)
- シャワーがある!(店舗による)
- フラットシートがある
- ブランケットがあたたかい!
- 飲み物豊富!
- アメニティ買える!(歯ブラシ忘れたので買った)
- アイス食べ放題!(夜食べるものじゃない)
- ワカメスープおいしい!(舌やけどした)
- 8時間ナイトパックにすると安い
- 店内の音楽がうるさくない(自由○間は眠らせる気のない選曲)
などなど……。
最近ではリモートワークでWEB会議をしても良いらしく、便利になりましたね。
残念なのは法律の関係で、完全個室を選ぶとドリンクバーの飲み物を部屋に持ち込めない点です。
まあ、そこらへんは我慢しましょう。
そんなわけで、さすらいのすずめはネットカフェで一夜を明かすことにしたのです。
朝焼けも見る
コケコッコウ。
ここからは長野に帰ってお送りしています。
……というか三の矢あたりからもう自室で書いてます。
朝、5時。撮影が上手くいかず悔しかったので、朝焼けでも撮って帰ろうと夜も更けぬうちにネットカフェを後にしました。
もう満月でも何でもないけど再び満月寺です。
始発で行っても日の出ギリギリィ!
滋賀は中心に琵琶湖があるうえ、電車を乗り換えるのになぜか京都(山科駅)まで一度出ないといけない仕様なので、そんなに面積はない割に電車移動が大変です。
車の方が便利な場所でしょうね。
ブルーアワーには間に合わなかったものの、なんとか日の出が撮れました。
満月寺を挟んで月を撮った場所の反対から撮っています。
ちょうど満月寺の正面から日の出だったので、どっちから撮ってもいいかな、という感じ。
どのみち浮御堂は写せませんし。
私のカメラを覗き込んで、
お~綺麗やなぁ。いつもは水位がここらへんまで来てて、あそこの山が近江富士でうんぬん……
と色々教えてくれたおじいさんや、
反対側からはお堂と(琵琶湖)大橋と朝焼けとがいっぺんに見えるわよ~!あっちの松がある方ね! あっちに行くには佃煮屋さんの道を~~
と気さくに道案内してくれたおばちゃんなど。
滋賀県民は優しい。
(小学校の頃、滋賀から来たショウタ君も優しかった)
おばちゃんのいう通り反対側(月を撮った場所)にも行ってみたところ、シマウマの視野くらいないと浮御堂と大橋と日の出は一緒に見えないことが判明しましたがそれはさておき。
お堂と琵琶湖大橋を写すなら、満月寺の西側からしか撮影できません。
明るい時間に見るとまた違ってみえますねえ。
(お堂の近くよりちょっと引いた位置から撮影する方がいいことに、このとき気づきました)
無くした手袋も無事回収!
帰りはよせばいいのに慣れないスナップなどして帰りました。グッバイシッガ!
まとめという名の反省会
天気アプリを見て予想はついていたのですが、
こっちも月見えたよ!
との一言に崩れ落ちました。
私の1日は一体なんだったのでしょうか。
動くべきか動かざるべきか、こういうときの判断は難しいですね。
とはいえ天候の判断だけでなく、今回は失敗だと思った点が多々ありました。
馬鹿で不器用で不注意な上に運を持っていないのだから、せめて計画性くらいは持ちたいものです。
数々の不運に見舞われましたが、物事がうまくいったためしのない人生を歩んでいるからこそ動じず行動できました。
そんなわけで、来年はもっとうまく撮れるよう精進します。
2022年11月の皆既月食に乞うご期待!
【青春18きっぷで滋賀に行った時の話】
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これは2021年11月19日、限りなく皆既に近い部分月食を撮影しようと躍起になった名もなきすずめの物語である。