ご近所トラブルです!
どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
はらりひらり、髪の毛のように葉がまた一枚と落ちていく季節。
身も心も財布も寒々しくなりました。
お向かいさん家の柿や朴木も渡りの時期を迎え、毎日落ち葉が我が家へ飛来してきます。
掃いても翌朝には無に帰すため、今は自然の摂理にしたがっています。
なにせお隣さんはもう空き家なので、どうしようもないわけです。
以前は元教え子と結婚したロリコンのおじいさんと、その奥さんであるおばあさんが暮らしていましたが、数年前におじいさんは他界。
1年足らずでおばあさんも呆けて施設へ移ってしまいました。
しかし庭師が手入れに来ており、自宅警備員が2人もいる我が家より庭が整っているという皮肉です。
とはいえ、隣から落ち葉がきたからなんなの?って話じゃないですか。
そりゃあ葉っぱ1枚1枚がシュールストレミングみたいな臭いを発してたら開戦ですけど、そうじゃありませんし。
落ち葉なんてどうせ次の冬が来るまでには消えるんですよ?
ドロドロした腐葉土と化してハエのふるさとになることもありますが、それもご愛敬。
カッカせず放置しておけばいいのです。去年は焚火の着火剤にして芋を焼きました。
そんなわけで今年も有効活用します!
拾った朴葉を使い、朴葉焼きを作ってみました。
自宅で朴葉焼きを作る方法、レシピ、注意点……などを書いているうちに「別に他の葉っぱでも良くない?」と思い立ち、検証もしています。
何も参考にならないと思いますが、落ち葉をお皿にしたい特異な人は読んでみてください。
Contents
朴葉焼きとは?なぜ朴葉を使うのか
朴葉焼きは岐阜県・飛騨高山地方に伝わる郷土料理です。
タイプのたびに「ほうば」か「ほおば」かわからなくなってしまうのですが、「ほおば」ですね。朴の木の葉。
……と思ったら「ほうのき」と打った場合は「朴木」で変換されます。
は?????????
思考放棄。
起源は諸説ありますが、雪深い飛騨高山、冬場は食材が凍ってしまいました。
そのため、朴葉の上に味噌や漬け物を乗せて温めながら食べていた、とのこと。
なぜ朴葉が用いられたかといえば、多分いい感じの大きさだったからだと思います。
お! このでっかい葉っぱ食べ物のせられるやんけ
当時の人は知らなかったでしょうけど、朴葉には抗菌作用があります。
まあ、理にかなったことを感覚的にやっていたようです。この手の、科学が後からついていく人類の知恵ってなんなんでしょうね。
ちなみに岐阜県と近い信濃・木曽には、朴葉巻というお菓子があります。
朴葉焼きの方法・レシピ
旅館の朝ごはんなどで見られる朴葉焼き。自宅で作ってみました。
朴葉の上に味噌とかを乗せて焼けばいいのでしょう?(適当)
①朴葉を用意
穴の開いていない、比較的綺麗なものを選びましょう。
なお朴葉は販売もしているようです。
落ち葉売って1000円かよ。ぼろい商売だなあ。
②七輪を用意
……あれ? 七輪って家の中で使っていいアイテムだっけ?
味噌を焼きたかっただけなのに「無職女性、人生に悲観し自死か?」とか勘繰られるのいやだよ?
このお経みたいなやつがマジで冥途に送ろうとしているように見えてきたじゃないですか。
煙やにおいもありそうなので、今回はガスコンロを使用します。
③朴葉を水に漬ける
乾いたまま火にかけるとこうなります。
これが本当の朴葉焼き。
15分ほど浸水させ燃えにくくしましょう。
私はうっかり1400分ほど浸水させてしまいましたが、問題ありませんでした。
④材料の用意
飛騨の郷土料理ということで、飛騨牛を用意しました。
飛騨牛です。
飛騨牛です。
う~~ん、おいしそうですねえ。
肉だけだと物足りないので、野菜も用意しました。
舞茸です。
野菜です。
⑤味噌を作る
葉1枚に対して、
- 味噌大さじ1
- 砂糖小さじ1
くらいでいいんじゃないですか?
ちょっとみりんや砂糖で柔らかくする感じ。
刻み葱を入れるとおいしいですね。
ねぎ味噌っていうより、味噌ねぎって比率になっちゃいましたけど。
朴葉焼きは高山地方でよく作られている赤みそ・麴味噌を使いますが、どちらもないので白みそで(だし入り)。
⑥朴葉のの水分を拭きとる
すっかり忘れていた朴葉を水から揚げて、水分を拭き取ります。
きたねえ!
え? こんなのの上に食べ物置いちゃって大丈夫?
⑦味噌と具を乗せて焼く
味噌→具材の順に置いてグリルへイン!
七輪以外にも、フライパン・グリル・オーブントースターなど、焼き料理で使うものならなんでもできると思います。
IH……?
駄目なんじゃないですか?
いや、フライパンを介せばできるかもしれないですけど、もっとも風情が焼死しそうな組み合わせですね。
よくわからないので、弱めの中火8分で様子見。
⑧完成
燃えとるやないか!!
火に強い葉ですが、浸水具合が弱かったり、火力が強かったりすると燃えます。
小学校5年生のキャンプで作った朝食の味噌汁レベルで灰がふりそそいでますが、味も舌触りも感じないので食べていきます。
金箔だと思えば食べられます。
お味のほどは?
いや~、やはり飛騨牛は違いますねえ…飛騨牛は
家の前の落ち葉に載せたグラム300円の牛こま肉でも、雰囲気を味わうことはできました。
ただ、正直なところ思っていたよりも朴葉の匂いや風味が感じられません。
水に1400分も漬けたせいで、重要な成分が流れ出てしまったのでしょうか。
……というか、そもそも。
朴葉じゃなきゃダメですか?
アルミホイルじゃダメなんでしょうか?
って感じ。
いや、この記事は朴葉じゃなきゃだめでしょ。
でも、もしかしたら朴葉じゃなくてもいいんじゃない? ってことで、派生の「○○焼き」も試してみました。
派生の「○○焼き」を作ってみる
予算と時間の都合上、家の半径100m以内で4種類の葉をスカウトしてきました。
ハナミズキ?
空を~押し上げてえ…
大正時代、日本がアメリカに桜を送った際の返礼としてやってきた帰国子女。
ゆえに日本での花言葉は「返礼」「永続性」「私の思いを受け取ってください」など。
図らずも一青窈さんの『ハナミズキ』に込められた意味を知りましたね。
(思った以上に深い想いのある歌だった……)
ちなみに彼女はお散歩中にスカウトしました。
こんにちは! 今、面白い企画をやってて~
ここでプロの全身エステを体験してもらうんですけど…
え~外からは見えないんですよね??
見えます。
イチョウ
庭でスカウトしました。
紅葉と並んで秋を彩るアイドルです。
裸子植物、という字面に中学時代はドキドキしましたね。
ただし彼はオスの葉、銀杏ボーイズです。
イチョウには抗菌作用があるとかないとか。期待が高まります。
柿
お隣さんの柿ですが、我が家の玄関でスカウト。
ひと様のものです。NTRモノとか上手く演じるかもしれません。
柿といえばカキタンニン(柿渋)。
天然の物質では最強とも称される抗菌作用があり、平安時代から防腐剤として使用されてきました。
代表的なものに、奈良の名物・柿の葉寿司があります。
これは朴葉以上ではないでしょうか。
そんなことより、君顔色悪いね? 性病の検査とかしておいた方がいい?
あじさい
お庭でスカウト。梅雨に華やぐ我が家のアイドル。
昨年剪定をミスったせいで、今年は花が付かなかった。
致死の可能性もある有毒植物ですが、いまだに毒の種類は諸説あり「なんだかよくわからん」という不思議な植物です。
一方で薬効もあり、研究が進んでいるとのこと。
……でかくね?
御託はさておき焼いていく
全員そろったところで、少し浸水させて一気にファイヤーしていきます。
キノコは切れてしまったので、ねぎ味噌に肉オンリー。肉祭り。肉だけあればいいんだよ!
それにしても、肉の赤が映えるのはやはり黄色や緑です。
イチョウなんて最高のコントラストじゃないですか。
サイズ感おかしいですけど。
では、朴葉焼きのときと同じく弱めの中火で8分――
ん!?
臭い!臭いぞ!なんか変な匂いがしてきた!!!!
どいつだ?どいつが異臭を放ってやがる??
何となく察しはつくけど、とりあえず焼いてしまえ!!
実際に食べてみた、○○焼き
燃えとるやないか!!
どうもグリルで葉っぱを焼くと、食材を乗せた場所以外が焦げやすいようです。
火力調節が難しいですね。フライパンの方がいいかもしれません。
ハナミズキ
もっとも耐火性があるように思えます。
やはり飛騨牛(消費期限切れ)はおいしいですね。
とはいえ、朴葉とくらべて何も違いがありません。
葉っぱは無臭。
臭いをかいでいる最中うっかり鼻水が垂れてしまったので、ハナミズキの余ったねぎ味噌は再利用ができなくなりました。
ハナミズキだけに。テヘ。
イチョウ
どことなく甘いオイニーがただよっていますが、味は特別変わった点はありません。
イチョウの葉は燃えにくいと言われていますが、普通に燃えました。
そもそも味やら匂いやら以前に、この形状でお皿にしよう、という発想に無理があります。
柿
どことなく清潔的な匂いがする柿。
やはり柿渋の力は伊達ではありません。
味噌焼きにすることは可能でしたが、私は柿の葉寿司の方が好きですね。
まったく関係ありませんが、東京へ行ったら必ず新宿駅の成城石井で味よしの笹寿司を買って、帰りのあずさの中で食べています。
マジで旨い。成城石井が長野に上陸したら月1くらいで食べてやってもいい。
……え、イオンにもあるの!?
あじさい
異臭の犯人、やはりこいつでした。
いかにも「変なものが燃えてます!」という不快なにおいがします。
嗅覚に影響されたせいなのか、そこはかとなく肉の味もエグみがあったような……。
そもそも毒性の葉をお皿にする発想がどうかしていました。
燃えた葉っぱを少し食べてしまったくらいで問題はありませんでしたが、マネしないように。
結論。朴葉でなくてもよさそう?
寒い時期でも手に入り、大きくて、燃えづらい。実は抗菌作用もあった。
そんな理由でお皿にされてきた朴葉ですが、どうやらほかの葉でも代用できそうです。
現代はすぐに食べるので、そもそも抗菌効果は必要ありません。
とはいえ、ほかの葉と比べると焼いたときの匂いが一番よかったので、これからも料亭などでは朴葉が使われていくのだと思います。
ご家庭ならアルミホイルでいいのではないでしょうか?
楽だし味は変わりませんよ!
というわけで、身も蓋もない締め言葉とともに今回の検証を終わりにします。解散!
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