どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
春ですね。
雑草を食べたり半裸で出歩いたり……わたくしのムショ活(無職活動)が捗る季節がやってまいりました。
そんなわけで今回は、食べられる雑草~ver.春を紹介します。
「こいつ春しか紹介してなくね?」と思う方もいるかもしれませんが、クソ暑い夏にわざわざ外へ出て雑草を食べる気になれますか?
夏は扇風機の前でアイス一択ですよ。
ヴィヴァルディ『四季』だって春しかロクに知りませんし。
しかも「食べられる雑草」のキーワードは、3~5月に一番検索されているとのこと。
つまり、世の民は春になると草が食べたくなるらしいのです。
平安時代くらいの記憶が残っているのでしょうか?
それはさておき、今回は実食を交えながら食べられるそこらへんの野草と、その中でもおいしい草の紹介をします。
草を美味しく食べられる方法も随時研究中なため、経過報告も兼ねてまとめてみました。
それでは、令和の大飢饉に備えてLet’s eat weed!!!!!!!!!!!(2回目)
Contents
食べられる春の雑草12選
じつは以前も春の雑草を紹介していますが、こちらは5月頃の話。
【以前の記事】
すでに季節は初夏で、代表的な春の野草はだいたい終わっていました。
そこで今回は3~4月頃に見られる、春の草をまとめています。
冬の終わりと春の訪れを感じさせる、より春らしい野草たちと言えるでしょう。
(いくつか被っているのもあります)
それでは各人、ご入場~!
オオイヌノフグリ
ときに残雪を割り咲かせる青い可憐な花。
小さな体に力強い生命力をみなぎらせる、オオバコ科の越年草。
明治ころにヨーロッパからやってきた帰国子女です。
どうみても日本原産の顔つきじゃないですからね。
人間でいえば加藤ローサって感じでしょうか?
名前の由来は、日本古来の植物「イヌノフグリ」より大きいから。
そしてイヌノフグリとは犬のキンタマ!
さっそくセンシティブな奴が登場しましたね。春を感じます。
ちなみにキンタマに似てるのは種子の方なので、花を食べても変態行為とはいえません。ご安心くださいませ。
ホトケノザ
卒業証書授与の際、最初の人は全文を読むけれど2人目からは「以下同文」となるように、ここからはサクサクいきます。
シソ科オドリコソウ属の植物、ホトケノザ。
別名を三界草(さんがいぐさ)とも。
ピンクに近い濃い紫色の花で、いち早く春の野原を色づける越年草です。
葉の形が仏様の座に見えることから、この名がつきました。
ちなみに「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」で知られる春の七草ですが、こいつと春の七草の「ホトケノザ」は別人です。
別人です。
は?? って思うかもしれませんが、別人です。
春の七草は「コオニタビラコ」と呼ばれる黄色い花なので、間違ってもこいつを毟っておかゆなどにぶち込まないようにしてください。
ネタバレですが、クソまずいです。
こいつは食用ではありません。
最初より長い解説になってしまいましたね、テヘ。
ヒメオドリコソウ
シソ科オドリコソウ属、ヨーロッパ原産の越年草。
薄紫の花を咲かせる、どこにでもいる雑草です。
丈30cmを超える「オドリコソウ」より小さいので、姫の名称がつけられました。
輪生の花が踊っている踊り子に見える、というのが名前の由来ですが……
命名した人間はヤクでもやってんじゃねえのか?
ちなみに近年は葉が鋸状になっている「キレハヒメオドリコソウ」も帰化しています。
こちらはオドリコソウ同士ではなく、上記で紹介した「ホトケノザ」との交配種とのこと。
そしてこれがその浮気現場です。
ここらへんで異類婚姻譚が繰り広げられる未来も近いかもしれません。
誰の子よ!
「そういえば、こいつ色白くね?」と思ったら、突然変異で白くなる個体があるそうです。
シロバナヒメオドリコソウ。
正妻と愛人の間で揺れるストレスから白髪になったのでしょうか。
植物界も大変ですね。
ノビル
土手のネギとは奴のこと。
ヒガンバナ科ネギ属の多年草、ノビル!!
ヒガンバナは食べられないのになぜネギ属は食用なのか。わけがわからないよ。
とはいえネギ属以外ヒガンバナ科はだいたい有毒なので(水仙とか)、採取の際は気をつけてください。
実は人間が手入れをしている土地や人里にしか自生しないという謎の特性があります。
ネギと名がつくだけあり、見た目は細ネギ。味も細ネギ。もしくはニラ。
茎も地下茎(玉ねぎみたいな部分)も食べられます。
花言葉は、「タフなあなたのことが好き」。
……ゴリラ用かな?
つくし
独特なフォルムゆえに子供にむしり取られて弄ばれる……かわいそうなシダ植物、つくし!
別名はスギナです。というかスギナの方が正式な名前で、つくしというのは胞子茎を指す名称ですね。
つくしはその色の通り光合成ができず、胞子を飛ばすだけの存在です。
ざっくりいうと、地下でスギナとつながっており、つくしが枯れるころスギナがではじめるのです。
スギナは「地獄草」と呼ばれるほど生命力の高いやっかいな雑草で、家に生えると延々と居座ります。要注意。
さっきの「タフなあなたのことが好き」は、こいつこそふさわしい花言葉では?
ヨモギ
キク科ヨモギ属の多年草。
初秋に地味な花をつけて
など、ウィキペディアさんには馬鹿にされておりますが、薬草としても食用としても使える便利な草です。
前回の「天ぷらにして食べる」回では見事首位の座を獲得しました。
団子にされるなど、我がブログではもっとも出現頻度の高い草です。
ハコベ
ナデシコ科ハコベ属の野草。
「ハコベラ」として春の七草のひとつになっています。
ヨモギ同様、前回の天ぷら回にも登場し、6位という半端な順位で、
クセもないが、味もない。
良くも悪くも無って感じ。
との微妙なコメントがつきました。
アワナズナ(和名:タネツケバナ)
アブラナ科タネツケバナ属のタネツケバナ?
微妙に自信なさげなのは、合っているのかちょっとよくわからないためです。
小川や水路・水田の際に生えるようですが、庭に生えてました。
私の家は植物に水田だと認識されているのでしょうか。
――と思ったら、近年「ミチタネツケバナ」なる乾燥した場所にも自生する種が出てきたそうです。
どうやら我が家にいたのはそいつの模様。
タネツケバナはタガラシ、ミズガラシとも呼ばれ辛味・苦みがあり、食用・薬用として食されてきた過去があります。
一方のミチタネツケバナは葉が丸く少なく、茎は無毛。
食用向きとの記述を見つけることができませんでした。残念。
ナズナ
君だけなんか写真と違くない?
アブラナ科ナズナ属の越年草。通称、ぺんぺん草。
「ぺんぺん草も生えないような」という慣用句があるほど、だいたいどんな地でも生えるといわれる強い子です。
春の七草のひとつですが、よくこんなの食べようと思ったな、と言いたくなるくらい食欲の湧かないフォルムをしています。
前回の天ぷら回では、最下位なうえに写真も撮られない不遇な扱いを受けました。
罪滅ぼしとして今回はオシャレにしてあげています。
かつては冬季の貴重な野菜だったのだとか。
令和に生まれて本当によかった~。いや、平成生まれだけど。
イヌナズナ
アブラナ科イヌナズナ属属の越年草、イヌナズナ。
姿かたちはほぼナズナと同じですが、色は黄色。群生するナズナに比べて、あまり数が多くない印象です。
ちなみにナズナは食用の一方、イヌナズナは食べないそうです。
恐らく犬も食わぬ、的な意味でつけられたのでしょう。
私だって食べたくない(本音)。
ワスレグサ(ヤブカンゾウ)? ノカンゾウ?
ここにきてあまり馴染みのない名前が出ました。
ユリ科ワスレグサ属のノカンゾウ? ノカンゾウ?
フシギソウの頭みたいな「THE☆草!」というフォルムが特徴的。
……いや、特徴なんて何ひとつないんだよ。
土手をはじめ、そこら辺に大量に生えているので、ぜひ外に出たときは探してみてください。
ずっと?がついているのは、ヤブカンゾウとノカンゾウは花が咲くまで見た目がほぼ一緒で、草の形状だけでは区別がつかないためです。
夏になると、ニッコウキスゲとよく似た、ユリのようなオレンジ色の花が咲きます。
八重咲ならヤブカンゾウ、6弁花ならノカンゾウ。
ただ、毎年花は見ているのだけどちょっと記憶が曖昧で、多分ヤブカンゾウだったかな~くらいの認識です。
近くの道の駅で売っていました(50円)。
マジかよ、買う奴いるのかよ……。
ビロードモウズイカ
ゴマノハグサ科モウズイカ属の植物、ビロードモウズイカ。
口触りが最悪そうな毛状突起が全体を覆っています。
やがて中心からひょろひょろと長い茎がのびていき、大きな菜の花のような黄色い花を咲かせます。
食っちゃいけねえオーラを放っていますが、昨年夏に大量のアブラムシが集っていたので、もしかして旨いのでは? と思い、今年初めて食べてみることに。
なぜ人間なのにアブラムシの味覚を参考にしているんでしょうねえ……。
【検証】カレー味にすれば何でもおいしいんじゃね?説
全12種類が揃ったところで、実食に移ります。
今回はずばり――「カレー味にしたら雑草もおいしく食べられるのでは?」検証!
カレーって、最強の食べ物じゃないですか。
だから、万物はカレー味にしたら食べられるんじゃないかなって思いました。
なんたって、カレー味のうんこって言葉が存在しているくらいですから。
そんなわけで、今回の味付けはカレー粉です。
余談ですが、粉から作るカレーにはまっているので、良いレシピがあったら教えてください。
それでは調理していきます。
まず、そこら辺の草は普通に汚いので丁寧に洗います。
猫のションベンかかってるかも?
とか気にすると何も食べられないので、思考を放棄しましょう。食っても死なねえから。
……こういう人間がいつか広東住血線虫とかでお陀仏するんでしょうね。
まあ、丁寧に洗えば家庭菜園と同じカテゴライズになるはずです。
今回はアク抜きも兼ねて、軽く湯がきました。
粗茶ですが……。
えー、端的にいうとごぼうを丸かじりしているかのような味でしたね。
すでに何がなんだかわからない状態になっていますが、油で炒めていきます。
そしてカレー粉を投入。
カレー以外の味付け?
女は黙って塩。
完成です。
かつてこれ程にカオスを極めた一皿があったでしょうか。
江戸時代の人なら喜んで食べたかもしれないですね。
令和人なのでまったく美味しそうに見えません。
それでは、実食!
食べた順にレポしていきます。
雑草炒めの実食レポート
ホトケノザ
花に近い部分は食べられますが、肝心の「座」部分の舌触りが最悪です。じゃみじゃみしています。
一言で言っていいですか?
くそまずい
初っ端からゲロ案件です。
味は大してありません。
つくし
一番まともそう、という期待を裏切らず、カレー味のもやし食感でおいしく食べられました。
周囲の黒い部分(はかま)と穂先は取るのが一般的です。
手間を惜しんだせいで評価がワンランク落ちました。
解せぬ
ヨモギ
苦い。
そう、ヨモギは天ぷらだと美味しいのですが、炒め物だと苦みが残るんですよね。
とはいえ、多分好きな人は好きな味です。
やはり食用にされてきただけありますね、口触りが悪くない点がプラス。
イヌナズナ
黄色い花の部分だけ食べられます。
相変わらずそれ以外は食べ物とは思えません。まあ、食べ物じゃないしね。
味はカレー粉の味しかしませんでした。
ナズナ
根に近い方へ行くほど、ワラでも齧っているかのような食感。
花の部分にはクセがありません。
ミチタネツケバナ
細すぎて何を食べているのかさっぱりわかりませんでした。
これは恐らく炒めてはいけないものかと……。
トゲトゲした茎が口の中で刺さり、美味しくはないですね。
オオイヌノフグリ
苦すぎる。
これ、以前に食べてクソまずかったことを忘れていました。
カレーの風味が負ける苦み。とんでもないキンタマだよ。
ハコベ
意外とシャキシャキしています。
さすが春の七草。比較的クセがなく食べやすい草ですね。
天ぷらのときと同様、可もなく不可もなし。
ヒメオドリコソウ
茎はシャキシャキ、頭部はやわらか。
油との相性も悪くないので、このラインナップなら上位にいけます。
……と思ったら、噛みしめているうちに気持ちが悪くなってきました。
ヤブカンゾウ?
今回のダークホース。
なんというか、一言で表すと「魂を抜かれたニラ」です。
炒め物が恐らく一番合う食べ方で、カレー粉がいい感じにやつを引き立ててくれました。
チヂミにしてみたい雑草ナンバーワンの座を与えておきましょう。
ビロードモウズイカ
フェルトじゃねえか!
味以前の問題。
アブラムシの味覚なんて信じた私が馬鹿でした。
実はノビルだけ炒めるのをすっかり忘れてしまい、切り刻んで酢味噌にして豆腐に乗せて食べています。
ノビルはこの食べ方が良きですね。
カレー味になっていないので、彼は途中棄権とさせていただきます。
解せぬ
カレー味にしておいしい春の雑草ベスト3
それでは今回のベスト3を発表します。
1位 ヤブカンゾウ
不気味なほど主張がない!
けれど草なんて下手に主張しても苦いだけなので、これくらいでよいのではないでしょうか。
夏になったらつぼみも食べられます。
2位 つくし
古くから食べられてきたのには理由がありますね。
はかまと穂先をちゃんと取り除けばもっと美味しくなったのに残念です。
ちなみにアルカロイド系の天然毒を含んでいるため、多量に食べるのはよくありません。
3位 ハコベ
よもぎと迷いましたが、よもぎが思ったより苦かったのでハコベにしました。
本当に主張のない子です。
面白みのないランキングではありますが、可食部が多くてたくさん生えている草が上位に来たのはよいことではないでしょうか。
令和の飢饉が来ても安心ですね!
まとめ 天ぷらVSカレー炒め
今回はみんな大好きカレー味にすることで雑草も食べられるはずだ、と考えましたが草を舐めていました。
草は味付けをしても草です。
だからこそ人々は野菜なるものを育て、改良してきのでしょう。
つまるところ、カレー味にしても草はあまりおいしくありません。
現状、天ぷらの方が美味でした。
衣と油は最強です。
天ぶらは草じゃなくて、ほぼ衣でしたから。
そんなわけでこれからもおいしい草の食べ方を考えていきたいと思います。
雑草食を学ぼう!
参考書籍。
なお、Googleレンズという代物でおおよその予想ができるので便利な世の中になりました。
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