どうもこんにちは。
全日本チョコレート大好き選手権、ベスト8入りを果たす予定のあまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
私が大のチョコレート好きなのは以前の記事(【スーパーで買えるチョコ】本当におススメな市販チョコレート厳選8)でお伝えしましたが、「ゼロからチョコレートを作らずしてチョコ好きは名乗れないな」と思いまして……
カカオ豆を育ててみました!
……というのは冗談で、カカオ豆からチョコレートを作っていきます。
これ、年の瀬に書いた『2020年にやりたいこと50』のうちの1つだったんですよね。
2020年はこんなアホを他にもやらなきゃいけないのか……。
ちょうどバレンタインということもあり、良い機会なのでチャレンジです。
- カカオ豆からチョコレートを作る方法
- カカオ100%~カカオ10%までのチョコ食べ比べ
- チョコ好きは1日チョコだけで過ごせるのか?
などなど、盛沢山の企画になっています。
チョコに関する豆知識を交えつつレポしていくので、最後までお付き合いください。
Contents
カカオ豆からチョコレートを作ってみた
まずはカカオ豆の入手です。
ちなみに、巷ではカカオ豆からチョコレートを作るキットがある模様。
- 生カカオ豆80g
- シリコン型
- レシピ付き小冊子
まあ、日々チョコレートに対する愛と知識を深めている私にはキットなんぞに頼る必要はないでしょう。
自らの知恵と了見を生かしオリジナルで作っていきます。
というわけで豆のみを購入。
200gで972円也。
マダガスカル産。
カカオ豆は産地により、風味・味に違いがあります。
- ガーナ産:
酸味・苦味・渋みのバランスがよく、コクがあり香ばしい - エクアドル産:
香りが強い。酸味や苦みの中に適度な渋さがある - ベネズエラ産:
濃厚な旨みと、香ばしい焙煎香が人気 - マダガスカル産:
フルーティーで酸味が強い。生産量が少なく希少 - ブラジル産:
苦みと渋みが強い。口どけはクリーミー
などなど。
もっとも日本人好みのカカオは、ガーナ産のものになります。
さっそく届いた生豆。
とりあえずそのまま食べてみると――
なんというか、おばあちゃん家のぬか床みたいな味。
このままだと食べられないので、以下の手順でチョコレートにしていきましょう。
- ロースト(焙煎)
- 殻むき
- グラインダー(磨砕)
- 湯銭&ミキシング(混合)
- レファイニング(微粒化)
- テンパリング(調温)
- 型入れ
- 完成
ちょっとカタカナはやめていただきたいですねぇ……。
1. ロースト
市販のカカオ豆は焙煎前のため、洗ってからローストします。
フライパンで中火~弱火40分。
もしくはオーブン(120度)で20分~30分。
今回はオーブンを使用しました。
2. 皮むき
水分が飛んだような状態になるので、殻をむいていきます。
胚芽部分も口触りが悪くなるのでできるだけ除去しましょう。
ここまでで約3時間。
(スタート、朝9時)
面倒くさ過ぎてすでに投げ出したくなる。
3.グラインダー(磨砕)
いかにも豆です! という状態から細かく砕いていきます。
フードプロセッサーなどがあれば使えるのですが……
そんなものはウチにない!!
というわけで、女は黙って手!
すり鉢とすりこぎを使い、たまにフルイにかけて細かくしていきます。
~~5時間後~~
恐ろしい労力と時間を掛けて、ようやく粉末状になりました。
細かい方が92g、少々粗い方が60g。
約200gの豆から約150gのカカオニブが採取可能なようです。
この間にABCオンラインの動画5本とアニメ7本を視聴しました。
(動画は倍速で見る派)
マジで日が暮れる……。
4.湯銭&ミキシング(混合)
粉末状になったカカオマスを湯銭しながら混ぜていくと、すこしずつ溶け始めます。
※ 湯銭の温度は約45度~50度ほどに保つ。
この時、絶対にお湯が入らないように細心の注意を払います。
うっかり入るとこうなる。
唐突な間違い探し!
本来はここでココアバターや砂糖を入れますが、まずはカカオ100%のチョコを作るので何も入れずに混ぜます。
5.レファイニング(微粒化)
口触りを滑らかにするため、ひたすらすりつぶす。
なかなか液状になりませんが、1時間ほど混ぜているとだんだんとチョコレートに近くなってきました。
この時点で深夜0時。
費やした時間はおよそ10時間。
世の皆さまが働いている中、私は1日ねるねるねるねをしていたわけです。
会社員時代、暇すぎて8時間ひたすら廃棄書類をシュレッダーにかけていたことがありますしたが、あれ並の拷問でした。
6.テンパリング(調温)
ある程度溶けたところで、50℃→28℃→32℃と温度を変化させながらチョコレートを混ぜます。
この作業はテンパリングと呼ばれ、口触りを良くして艶出しをするために必要です。
7.型入れ
型に流し込みます。
今回使用したのは一昨年あたりに購入した板チョコ用の型。
当時の私が何を思ってこれを買ったのかさっぱりわかりませんが、チョコ作りにハマっていた時期があるようです。
……コンクリートかな?
いや、つーかマジでこれ何で色着けたんだ?
全然記憶にないけど。
8.完成!
あとは冷蔵庫に入れて冷やせば出来上がりです。
ね、簡単でしょ(棒読み)
さて、ここまでは実行している人がそれなりにいます。
ブログもきっと53記事くらいあるでしょう(適当)
あの有名YoutuberのSEIKINさんもやっているっぽい。
(この人、最初HIKAKINさんのパクりかと思ってました、さーせん)
しかし私が目指すのは+α。
ここからは『もっとも美味しいカカオ含有量』を徹底比較していきたいと思います。
もっとも美味しい手作りチョコはカカオ何パーセント?
市場では「カカオ○%」というチョコレートをよく見かけますね。
私は子ども舌なのでカカオ80%のチョコなんぞは鼻クソだと思っていますが……
今回は高カカオチョコも含めて、『手作りチョコのもっとも美味しいカカオ率』について調べていきます。
そもそも「カカオ○%」とは、なにをもってその数値なのでしょうか?
「んなことどうでもいいからチョコ比較はよ」という方は飛ばしてください。
これは、カカオマス(カカオニブ)とココアバターを合わせたカカオ分と呼ばれるものの割合です。
チョコレートには必ずカカオマスとココアバターが含まれています。
つまりカカオ90%のチョコレートは、全体に対するカカオマスとココアバターの割合が90%を占めているということです。
例:
カカオマス80%+ココアバター10%+砂糖10% → カカオ90%
チョコレートは主に、
- カカオ分・ココアバター
- 乳固形分(乳脂肪分)
の分量の基準から、4つに分類が可能です。
チョコレート 生地 |
チョコレート 生地② |
ミルクチョコレート 生地 |
準チョコレート 生地 |
準ミルクチョコレート 生地 |
|
---|---|---|---|---|---|
カカオ分 | 35%以上 | 21%以上 | 21%以上 | 15%以上 | 7%以上 |
うちココア バター分 |
18%以上 | 18%以上 | 18%以上 | 3%以上 | 3%以上 |
脂肪分 | 18%以上 | 18%以上 | |||
乳固形分 | カカオ分と 合わせて 35%以上 |
14%以上 | 12.5%以上 | ||
うち乳脂肪 | 3%以上 | 3%以上 | 2%以上 |
「なに言っとんねん……」っていう感じですが、
- チョコレート生地:
カカオ分35%以上・ココアバター18%以上 - チョコレート生地②:
ただし、カカオ分21%以上・ココアバター18%以上、かつ乳固形分とカカオ分の合計が35%以上・乳脂肪分3%以上で、チョコレート生地になる - ミルクチョコレート生地:
カカオ分21%以上・ココアバター18%以上
乳固形分14%以上・乳脂肪分3%以上 - 準チョコレート生地:
カカオ分15%以上・ココアバター3%以上
脂肪分18%以上 - 準ミルクチョコレート生地:
カカオ分7%以上・ココアバター3%以上
脂肪分18%以上で、乳固形分12.5%以上・乳脂肪分2%以上
※ いずれの場合も水分は3%以下であること
このように4種類に分かれるわけです。
クッキーやクランチでないチョコレートはだいたいチョコレート生地です。
「カカオ35%」というチョコは見かけても「カカオ20%」のチョコを見ないのは、カカオ分が21%以下になるとチョコレート生地とは呼べなくなってしまうためです。
ちなみにホワイトチョコにはカカオマスが含まれていません。
カカオバターと砂糖が主な原料であるため、色が茶色ではなく白いのです。
しかしカカオマス0%でもカカオバターが21%以上含まれているため、チョコレートの規定的にはチョコレート生地に当てはまるわけですね。
この規格に当てはまるよう、カカオ100%~カカオ10%のチョコレートを16種類作ってみました。
ミルク分なし(20gの分量) ミルク分あり(30gの分量)
一番面倒だったのは箱作り。
写真の分量はところどころ間違えています。
カカオ10%と20%はどう頑張っても「準チョコレート」になってしまうようです。
ちなみに20gは子包装チョコ4個分くらい。
カカオ10%の砂糖量がえぐいです。
今回ミルク分はスキムミルクと牛乳を使用しました。
写真に牛乳はありませんが、途中で変更しています。
油分であるココアバターは昨年あたりに買ったものがあったのでそれを使用。
当然のように賞味期限切れ。
前置きはこれくらいにして、できあがったチョコレートの感想をまとめました。
高カカオチョコレート
まずは高カカオチョコレート。
こちらはミルクは入れず、いわゆるビターチョコとなっています。
ニガイのがわかりきっているので、正直食べたくないのですがね。
カカオ100%チョコレート
ボソボソしていて酸っぱい。苦い。
やはりおばあちゃんのぬか床みたいな味。
意外なことに後味はそこまで悪くない。
カカオ90%チョコレート
粉っぽい。
苦いけれど、市販の高カカオチョコレートと同じくらいの味。
酸っぱさは100%のものよりやや落ち着く。
カカオ80%チョコレート
ようやく遠くで甘さを感じられるようになる。
ボソボソしているが、チョコレートらしさが出てくる。
カカオ70%チョコレート
粉っぽさはあるものの、味としては一般的な高カカオチョコレートと言って問題ない。
なおここまで、もう一度食べたいとは思えない。
カカオ豆から手作りするチョコレートにありがちなことなのですが、粉っぽいです。
市販チョコは磨砕と微粒化を機械でそうとう丁寧にやるんでしょうね。
人間が機械に敗北した瞬間でした。
ミルク無 カカオ60%~10%のチョコレート
60%以下からは、ミルクの入っていないビター&スイートチョコと、ミルク入りのミルクチョコ、2パターンを比べていきます。
どうでもいいですが、一度に食べると味がわからなくなりそうなので、間に切り干し大根を食べて舌をリセットさせました。
カカオ60%チョコレート
甘い。
ここまでめちゃくちゃ苦いものを食べ続けて舌がおかしくなったのか、およそビターとは思えないレベルの甘さを感じる。
実際砂糖を40%も含んでいるので、ビターとは呼べない気がするけど……。
カカオ50%チョコレート
カカオの粉っぽさがなくなる一方で、砂糖のシャリシャリ感が出はじめる。
半分が砂糖なので、間違いなくビターとは呼べないだろう。
カカオ40%チョコレート
明らかに砂糖が飽和し始めている。
少々甘すぎるものの、嫌いな味ではない。
カカオ30%チョコレート
70%が砂糖でできており、辛うじてチョコレートの基準に引っかかってはいるもののチョコと呼んでよいかわからない味。
口の中に入れると溶けて消えた。
まあ、ほぼ砂糖だからな。
カカオ20%チョコレート
……鉱石かな?
液体状にならなかったため(砂糖が多すぎて)、ラップで包んで丸くしたもの。
硬い。
歯が折れるかと思った。
どこかで食べたことがあるかと思えば、コレ。
もはやこれは砂糖菓子。
カカオ10%チョコレート
カカオがきちんと溶け切らないミスをしたこともあり、チョコレートの風味は無。
これはまごうことなき砂糖。
ちょっと茶色い砂糖。脳天を突き刺す甘さ。
さすがの私も多量には食べられる気がしない。
どうもカカオマスとカカオバター、そして砂糖という3種類しか使わなかったせいで、後半がただの砂糖になってしまいました。
でもミルクを入れないとなると、砂糖しか入れるものないじゃない!!
ミルク抜きの低カカオチョコレートは地獄、ということが立証された貴重な実験です。
ミルク有 カカオ60%~10%のチョコレート
上記の反省を生かし、今度はミルクチョコレートを作っていきます。
……が、ミルクを入れたことで型から外れなくなりました。
これは私が温度管理をテキトーにやったせいかもしれませんが。
そのためミルクチョコレートは残念ながら板チョコの形にはなっていません。
カカオ60%チョコレート
見た目は悪いが味は悪くない。
これぞビターという苦さがある。
……まあ、ミルクが入っているからビターではないけれど。
食感はボソボソしているものの、ブラウニーの中身のような雰囲気。
粉っぽさも「ナッツ入りです」みたいに言われたら納得してしまうかもしれない。
カカオ50%チョコレート
正統派・大人な甘さ。
粉っぽさも消えて美味しい。
(多分作るのに慣れてきて微粒化がうまくいき出した)
『苦さの残るガナッシュ』と言った感じか。
正直ここにきてようやくまともな食べ物になってきたな、と感慨深い。
カカオ40%チョコレート
見た目はウンの申し子であるが、おいしい。
ほどよい甘み、カカオの苦み。
そして滑らかな口どけ。これぞまさしくガナッシュ。
ためしにラムレーズンを乗せてみたところ、ラミーの中身のようでおいしかった。
食べていて「多分これが優勝だな」という予感があった。
カカオ30%チョコレート
いわゆる生チョコと呼ばれるものに近い食感。とても柔らかい。
人によっては甘すぎると感じるかもしれないけど、私は好きな味。
粉っぽさもなく、40%に次ぐおいしさ。
カカオ20%チョコレート
ここにきてアメーバ。
牛乳が多すぎたのか、固まらなくなる。
味のほどは言うなれば、ミルキーを溶かして飲んだら多分こんな感じになると思う。
つまり甘い。
ちょっと甘すぎる。
カカオ10%チョコレート
ゲロ甘。
正にこの言葉がぴったりである。
とはいえカカオ抜きの10%と異なり、ミルク分が高いためコクはあった。
まあ、登山とかにいいんじゃね? みたいな甘さ。
もっとも美味しい手作りチョコはミルク有カカオ40%チョコ!
以上16種類のチョコレートを食べ比べてみた結果……
カカオ40%のミルクチョコが一番おいしい
という結果になりました。
まあ、市販のチョコもそれくらいのカカオ量のチョコが一番おいしいもんね。
※ 何度もいいますが私の舌は三歳児並です
「カカオからチョコレートを作りたい!!」という人のためにできるアドバイスは以下の3点です。
- 1. 微粒化で力を抜いてはいけない
ここで頑張ると、滑らかな口当たりになる - 一番おいしいのはカカオ40%前後
- 腱鞘炎になりそうなレベルで手を使うので、生半可な気持ちで始めない方がよい
いやー、2日目は朝8時から夜の21時ころまで、ほぼ飲まず食わずで作り続けました。
一体これはなんの修行かと。
これだけ1日チョコレートと触れ合った挙句に沢山食べれば、
みたいになるのかな? と思いきや、全然。
本当に好きなものは供給過多になっても好きでいられるようです。
とはいえ……
今月に入ってから怒涛の食レポラッシュで、体脂肪が2%増えた私は効果的な運動方法などを募集しています。
それにしても、市販のチョコレートには多量の砂糖が使用されているのだと今回改めてきづかされました。
それでもあなたはチョコレートを食べ続けますか?
食べるに決まってるだろ
最後に。
この記事をもって当サイトは100記事目を迎えることができました。
今後もお役立ち情報やアホネタを発信していきますので、よろしくお願いします。
本当に美味しいチョコレートの記事はコチラ
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こんばんわ!
チョコ記事があると聞いてきたら2つも。。!
読みながら終始「すげぇ..この人すげぇ..」と声を漏らしていました。
また、「一番面倒だったのは箱作り。」という一文で爆笑させていただきました。
ありがとうございます。
そして100記事目おめでとうございます!
これからも楽しみにしてます!
>あおにさいさん
読んで下さりありがとうございます!
チョコが好きなので最後まで実行できました笑
箱作りは地味に面倒でした
これからも面白いと思っていただけるものを書けるようがんばりますので、
よかったら読んでみてください~
すずめさん、こんにちは!
チョコレートを豆から作った人をはじめて見ました。
楽しいレポートでした!
お疲れ様でした!
100記事おめでとうございます!
>なぎささん
こんにちは!
実は豆からチョコ作りをしている人は結構いるんですよね(;’∀’)
楽しんでいただけたようでなによりです。