どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
冬至ですね。
「冬に至るってなんぞ? もうずっと前から冬だが?」って感じですけど。
それともあれか?
冬のピーク、冬の絶頂点が今日ですってことか?
イクーッ!
生まれるーッ!
余計意味わからんくなったわ。
寒さが脳に浸透して人を駄目にしますね。
そんな冬至にちなんだわけではありませんが、最近ゆずを食べました。
冬至の時期にしか騒がれないような果物、どうせ大した味でもなかろうと軽んじていたゆえ、ゆずを生の状態で食した記憶がありません。
それが先日、家を捨て30年ほど放蕩を続けている親父がふらりと来て、
おう。柚子とまな板いるか?
といってこちらを置いていきました。
クソデカ柚子!!!!
どないすんねんこんな化け物
ちなみにまな板はこちら。ひのき製らしい。
うちには既にまな板があるのでお盆にしています。
まったく、何を思ってこんなもん持ってきたんだか。
大きい果実はたいてい大味……とこちらも侮っていたわけですが、食べてみたら意外と美味でした。
柚子ピールやマーマレードといろいろ楽しませてもらったので、我々の思い出を残しておこうと思います。
クソデカ柚子をもらって困っている方はご参照ください。
Contents
【悲報】鬼柚子、柚子じゃなかった
生産量も消費量も日本が一番の柚子。
柑橘系最強の強さと耐寒性を誇るため、場所によっては庭でゆらゆらしており身近に感じる方もいるかもしれません。
長野県に住む私にとってはまーったく馴染みのない果物です。
さてさて、さっそく残念なお知らせ。
鬼柚子は柚子じゃありません。
なんやて工藤って感じですが、海ブドウが葡萄じゃなくて、キクラゲが海月じゃないあれと同じですね。
分類上はザボン(ブンタン)の仲間であるとのこと。
- 柚子…ミカン属ユズ種
- 鬼柚子…ミカン属ザボン種
ただし鬼柚子の外皮はデコボコして柚子に近いため、この名前になったそうです。
(ブンタン系はグレープフルーツのようなツルツルとした見た目です)
白人夫婦から黒人のベイビー誕生しちゃったみたいな珍事ですね。
本当は柚子の血が混ざってんじゃないの? ん?
実際、ザボンは交雑や交配でさまざまな品種があるため、もうなにが入っていても不思議ではありません。
鬼柚子と獅子柚子の違いってなに?
大柚子・鬼柚子・獅子柚子など呼び名がいろいろありますが、等しく同じものであるそうです。
ちなみにザボンの原生地は東南アジア・中国南部・台湾などアジア。
鬼柚子は伝わった場所にちなんで一部では「ジャガタラ柚」とも呼ばれていたらしいですね。
ジャガタラってどこだっけ? 学習帳のあれ?
違うそれジャポニカや……。
※ジャカルタの古称
鬼柚子とホンユズの比較
とにもかくにもデカいです。
本柚子の5倍はあるでしょうか。
「馬鹿にでかい」とか「手に余る」ってまさにこういうことを言うんでしょうね。
大きいものにはロマンを感じてしまいます。
たくさん食べたいがゆえに交配で改良したわけではなく、文旦系は大型なのが特徴のためもともとこの大きさのようです。
家にきた個体がそうだっただけかもしれませんが、皮には張りがありません。
ぶよぶよしており、還暦が近づいてきたおばさんの背中周りといった風貌。
弾みが悪くなってきたドッヂボールの皮にも似ています。
切ってみて驚きました。
なんという可食部の少なさ!
真っ白ではありませんか。
ミカンで言うところの白い筋(アルベド)部分ですね。
ここが厚いのは文旦系の特徴でもあります。
ただ、この綿部分も食べられるので食いしん坊の皆さまご安心くださいませ。
鬼柚子を食べてみた
1週間ほどテーブルに転がしておきましたが、いよいよ顔色が悪くなってきたので食べることにしました。
まずは果肉。
果汁は少なくパサパサしている、と言っている人もいましたが個人的にはジューシーさを感じました。
歯ごたえがあるといいますが、一番近いのはグレープフルーツとか日向夏とかあそこらへん。
苦味は少なく、かすかな甘みと酸味。
やはり味としても主張の少ないグレープフルーツとかはっさく系です。
洗練されてはいないけれど思ったより甘みがあり、爽やかさもあり。
例えるならば田舎にいる生まれながらに顔がちょっと整った女子、みたいな。
モデルやアイドルにはなれないけど、あれ? 地味だけどよく見たらあいつ割とかわいくね? みたいな。
嫌いじゃないです。
薄皮とアルベドはそのまま食べると当たりまえですがパサパサして苦味(渋み)があります。
外皮は舌がびりびりしました。
そのまま美味しく食べられるのは果肉だけでしょう。
鬼柚子ピールを作ってみた
鬼柚子の皮はピールになるとの情報を得て、さっそく作ってみました。
・鬼柚子の皮好きなだけ
・鬼柚子に対し30~70%の砂糖。ぶっちゃけ30%で十分
①皮の表面を水で良く洗って細く切る
②1~3回茹でこぼす
③鬼柚子に砂糖をまぶして2~3時間放置
④焦げないように煮つめて水分を飛ばす
⑤110℃のオーブンで30~40分(自然乾燥もOK)
これだけ皮が大きいのだから、さぞ大量生産できるでしょう。とりあえずは半分だけ使いました。
それでも100gはあります。
巷で見つけたレシピによると、皮は水でこすり洗いをして、細く切って5分茹でます。
これを3回繰り返すらしいのですが、風味が死ぬ気がしたので私は1回にしました。
そして、皮に対して70%の砂糖を入れます。
70%!? 70g!?
なんかもうゾッとしてしまい、30%の30gに抑えました。
結果的にそれくらいでも十分美味しくできました。
やたらに砂糖を使うのは、保存性を重視しているのでしょうか。
砂糖をまぶしたら2~3時間放置。
その後、煮つめて汁気を飛ばします。
テラテラと輝いてきて、ピールらしい見た目になってきましたね。
この状態でもすでに食べられます。
自然乾燥もできますが、ベトベトしそうで嫌だったのでオーブンを使いました。
110℃で、およそ30分。
様子を見い見い水分を飛ばしていきます。
100gがこんなちっぽけな姿に……。重さも1/3ほどになってしまいました。
食感や味は、市販に売っているレモンピールやオレンジピールと大差ないですね。
皮が厚い分、食べ応えがあるようにも感じました。
甘みが抑えめなのは純粋に砂糖を減らしたからかもしれません。
柑橘系の苦味もほどよく残っています。
チョコレートと合いました。おそらくお酒のアテとしてもよいでしょうね。
食後にうっかり全部食べてしまい、反省。
鬼柚子ジャムを作ってみた
乾物は秒で食べ終わってしまうので、残りはジャムにしました。
・鬼柚子(種以外丸ごとOK。今回は250g使用)
・鬼柚子に対し30~70%の砂糖。ぶっちゃけ30%で十分
①皮は洗って細く切り、アルベドは細かくちぎる
②1~3回茹でこぼす
③鬼柚子に砂糖をまぶして2~3時間放置
④水100~200mlを追加して(鬼柚子の分量による)、焦げないように煮つめて水分を飛ばす
ザボン類の特徴でもある厚いアルベド部分も料理にできます。
つまり種以外は丸ごと過食できる。
実に優秀な食べ物です。
……まあ、大抵の柑橘類は農薬の心配さえ除けば丸ごと食べられるのだけど。
作り方はピール時と変わりません。
皮はよく洗って切る。アルベドも細かくする。
そして1~3回軽く茹でこぼして、砂糖をまぶす。
2時間ほど放置。
今回は全体が250gあり、70%だと175g、50%でも125gとさらにおぞましい砂糖量になってしまいます。
そもそもそんなに入れたら我が家の砂糖がなくなってしまうので、同じく30%量の70gほどで作りました。
それでもしっかりと甘く、1週間は保存ができたので、よほど長期の保存を目的にしないのであれば30%で十分かと思います。
水100~200mlを入れて、弱火で煮る。火が強いとあれよあれよと焦げていくので注意。
ジャムというより煮つけみたいな見た目ですね。
粗くするか潰してドロドロにするかは好みの問題です。
煮ているうちに少しずつ崩れていきます。
量は250gからおよそ200gほど(1カップ強)できあがります。
ピールとくらべ水分が多いため、そこまで少なくなった印象はありません。たくさん食べたい方におすすめ。
そしてこれが1週間後の姿(食べかけ)です。
段々と味がなじんでくるというか、日に日に美味しくなってきている気がします。気のせいかもしれません。
- そのまま食べる
- パンに塗りたくる
- ヨーグルトにまぜる
- クリームチーズとまぜる
- チョコと一緒にパイシートに包んで焼く
などなど、食べ方はさまざまで、着実に私の体重を増やしてくれています。
鬼柚子、価格が高いのでコスパは悪い
こんだけたくさんジャムが作れたらコスパ最高や~と思いましたが、どうやら鬼柚子はあまり流通していない模様。
ネット通販などで生産者から購入すると、2000円ほどするようです。
だったらスーパーで柚子10個買うわって感じ。
わざわざ購入するものというより、たまたま入手したときに食べるレアものですね。
縁起物ゆえ飾りとして購入する方もいるようです。お正月とか。
寒さと日照の少なさに震える日々ですが、このような季節ものを季節のものとして味わえるのも四季があるからと思えば、冬もまた味わい深し。
四季に感謝!
地軸の傾きに感謝!
ありがとう地球!
ありがとう23.4度!
なんて思えるか寒いんだよばーか!
冬に至り、早くも春を待つ日々です。
\最新情報はTwitterにて/