人生初の秘境駅訪問をしてきました。
どうもこんにちは、あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
9月2日~6日にかけて青春18きっぷを利用した一人旅をし、最終日には家へ帰りがてら飯田線沿いに秘境駅めぐりをしました。
今回はその中の静岡県にある秘境駅・小和田駅について紹介します。
今回巡った6つの駅の中でも、群を抜いた秘境感のある駅でした!
Contents
小和田駅(こわだ)とは?
小和田駅は、静岡県浜松市天竜区水窪町にある、JR東海飯田線の駅です。
浜松というと静岡の中でも都会なイメージなのですが……どんだけ手広くやってんねん。広すぎるわ、浜松。
周囲には民家や施設がなく、鉄道以外の訪問手段がないため「秘境駅」と呼ばれています。
秘境駅のパイオニアともいえる牛山隆信氏のウェブサイト秘境駅へ行こう!では、第3位にランクイン。
余談ではありますが、その他5位以内の秘境駅です。
1位 小幌駅(こぼろえき) 北海道室蘭本線
※廃止が検討され、1年更新の措置が取られている
2位 尾盛駅(おもりえき) 静岡県大井川鐵道
4位 赤岩駅(あかいわえき) 福島県奥羽本線
5位 坪尻駅(つぼじりえき) 徳島県土讃線
1956年に完成した佐久間ダムにより周辺の集落は水没し、駅から徒歩15分程度のところにある民家に老婦人が住んでいるだけでした。
現在ではその方も移転し、周辺住民はゼロになっています。
小和田駅から40~50分の道の先にある「塩沢地区」にある家が、最も近い民家となります。
そのため純粋な生活目的の利用者はほとんどいない駅ですね。
小和田駅の正面に位置する天竜川の対岸は愛知県になりますが、橋もダム建設で廃道になったため愛知県側から駅に向かうことはできません。
- 三県境界の木造標識
- 花嫁号のヘッドプレートを初めとする、90年代の名残り
- ミゼットの廃車と製茶工業跡の廃墟
小和田駅の行き方・時刻表
小和田駅周辺に道路は走っていないため、前述のとおり車でのアクセスは不可能。
それでも無理矢理来るとしたら、塩沢方面か反対の大嵐方面から歩いてくるしかありませんが、だったら電車を利用した方がよさそうです。
飯田線は本数が少なく、2、3時間に一本、上り下り合わせても1時間に一本ほどしか電車が止まりません。
帰りのことなどを考えると、午前中か午後の早い時間に訪れた方がいいでしょう。
小和田駅時刻表(平日・休日)※2019年9月時点
時刻 | 豊橋方面 | 岡谷方面 |
6 | 43 伊那松島 | |
7 | 05 豊橋 | 33 飯田 |
8 | 34 豊橋 | 13 天竜峡 |
10 | 10 中部天竜 | |
11 | 17 天竜峡 | |
13 | 42 豊橋 | 19 岡谷 |
16 | 01 豊橋 | 11 天竜峡 |
17 | 49 豊橋 | 16 岡谷 |
19 | 34 豊橋 | 10 上諏訪 |
20 | 31 豊橋 | |
21 | 29 天竜峡 |
豊橋方面は終点まで行く電車が多いですが、岡谷方面は直通で岡谷まで行く電車は少ないので、乗り換え時間等に注意。
小和田駅周辺を歩く
豊橋駅6時発の始発電車に乗り、8時13分、小和田駅に到着しました。
本当は次の中井侍駅で降りる予定だったのですが、うっかり間違えて小和田で降りてしまうというミスをやらかしてしまいます。
電車の中からホームを撮影する人がたくさんいました。
……が、降りたのは私一人だけ。
秘境駅と有名なのでもっと観光客が降りるかと思いきや、そうでもないみたいです。
一本後の電車で4、50代くらいの夫婦がやってきました。
2008年までは対面ホームだったため、向かい側にもホームがありますが、現在は立ち入ることはできません。
ちょうど駅舎を掃除しているおじさんが一人いましたが、職員の人でしょうか?
この駅は個人的に(ファンとして)駅や周辺を掃除する人がいるらしいので、よくわからないですね。
昔は水道施設があったようですが、現在では完全に使えません。
トイレも2013年に撤去されてしまいましたので、電車内で済ませておきましょう。
駅内には駅ノートがありますよ!
小和田駅は三県境界駅
小和田駅はちょうど静岡県・愛知県・長野県のほぼ県境に位置している駅です。
隣の駅の中井侍駅は長野県天竜村に位置する駅なため、飯田線内では最後の静岡県の駅になります。
よく見る静岡県、愛知県、長野県の板が三方向を向いている看板が撮りたかったのですが、駅舎前のこの木を見て「県の板は取れちゃったのかな……」としょんぼりしてました。
実際にはその標識は駅舎前ではなく、ホーム内にあります。
うっかり見逃してしまいました……。
小和田駅と雅子さま
ホームでは、「恋成就」の立て標識。
花嫁号や、愛と書かれたベンチなど、恋愛をうたったアイテムがそこかしこにあります。
これは93年に天皇皇后両陛下のご成婚の際に、雅子さまの旧姓・小和田(おわだ)が同じ表記だったため、「恋愛成就」のスポットとして一時注目された名残です。
これを機に水窪町(当時はまだ浜松市に併合されていなかった)は、同駅で結婚式を挙げるイベントを実施しました。
選ばれたカップルがが臨時列車「花嫁号」に乗って訪れ、実際に挙式も行われています。
その時の列車のヘッドマークが駅舎に飾られているもので、駅内には挙式の写真も残っています。
こんなところで結婚式やったんかい!? って驚きですね。
今は人の気配などどこにもない静かな駅ですが、当時は相当賑わったようです。
その時設置された自動販売機が使用停止のまま数年前まで置かれていましたが、撤去されたのかすでにありませんでした。
時間が止まったような場所ですが、ここ十年近くで少しずつ姿を変えているのかもしれません。
製茶工場跡と住居跡
駅舎を出ると「塩沢集落」を示す標識が、死にかけでかろうじて立っています。
1時間とご丁寧に書いてあるように、塩沢集落までは徒歩1時間ほどかかるようですね。
斜面には割としっかりとしたつくりを残した廃墟。
(裏側)
住居跡で、以前はこんなに駅前にも人が住んでいたようです。
施錠はされているので中には入れません。
もう一つの半壊しかけた建物は製茶工場跡です。
すごく静かな場所でお化け屋敷状態なのですが、どこか温かな雰囲気がありました。
あまり怖くはなかったですね。
崩れるのでは? と不安に思い中には入らなかったのですが、案外普通には入れるみたいなので今度詳しく見に行きたいです。
小和田駅のシンボルミゼット
小和田駅というとよく出てくる廃車のミゼット(ダイハツの三輪自動車)です。
佐久間ダム建設の際に転落してしまったようですが、軽が走る道路はあったものの引き上げる車は来られなかったのでしょうか?
放置とは……。とても味がありますね。
しかし、まさかミゼットもこんな風に捨て置かれることになるとは思っていなかったでしょうに。
私のボロボロのダイハツエッセも捨て置いといたら何十年後かにはこうなるでしょうか。
小和田池之神社
駅を出てから天竜川沿いを左手に歩くと、5分ほどの場所に神社があるようなのですが……
いやいやいや、道がないのだが。
マジでこんな感じになっていて。
取り壊されたのか? と思いこの時は引き返したのですが、どうやらまだ健在らしい。
道なき道を行く覚悟を決めて、次に訪れた際には祠まで行ってみたいです。
天竜川沿いの景色
小和田駅を出てからは、天竜川沿いの景色が続きます。
流れを感じさせないほどゆったりとした、濃いエメラルドグリーンの川。
……いや、これよく考えればかなり淀んでないか?
私はこいつの源流である諏訪湖の汚さを知っているので騙されませんよ。
この川、絶対かなり汚いですよ。
光の加減でちょっと綺麗な感じに見えてしまうのが悔しいです。
天竜川沿いを北上し、高瀬橋方面に向かいます。
道も狭く暗くなってきました。(蜘蛛の巣なんかも平気で引っかかる)
木も倒れています。
しかしこのあたりで、時間がやばい、ということに気付き慌てて引き返しました。
廃墟周辺で時間を食い過ぎたため、高瀬橋方面に向かう時間がありませんでした。
(事前に調べていなかったため、そもそも先に何があるのかもよく知らない状態でしたが笑)
以前この先には中井侍方面に向かうことの出来る吊り橋・高瀬橋がありました。
しかし「通り抜けが出来ない」と注意書きがあるように、現在では高瀬橋は落ちてしまい行き止まりになっています。
付近には小和田駅唯一の住人だった老婦人の家もあるそうです。
まとめ
滞在時間は8時13分~10時10分、約1時間40分ほど。
最初は「こんななにもない場所に1時間半も?」と思いましたが、実際にはあっという間劇場でしたね。
私がモタモタきょろきょろしていたこともあり、全然めぐれた感じがしません。
実際に見れなかったところがたくさんあります。
一度見たらいいかなー、というよりまた来てみたいと思える駅でした。
次は小和田駅のみ1日時間をとって訪れたいです。
かなり険しい道のりですが、徒歩で小和田駅脱出、なんてことも不可能じゃないようです。
「古くて人がいない」というもの淋しさだけでなく、かつては生活がありたくさんの人が訪れた、という昔を残している雰囲気がとても好きになりました。駅の待合室のこの感じ。
自分が映画監督なら、80年代後半から90年代前半を舞台にした映画のロケ地で使いたいです。
アクセスはよくありませんが、見どころたっぷりの秘境駅。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
以上です。
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