さてさて、こんにちは。あまぼしすずめ(@S_amaboshi)です。
先日、山梨県へ遊びに行きました。
北杜市あたりまでは庭という認識なのでしょっちゅう行きますが、今回は富士五胡まで足を延ばし、ついでに「ほうとう」なる麺類を食してみました。
おまえはフジヤマを見に来た外国人か? って旅行ルートです。
で、人生初のほうとうを食べたらですね、
え!?
みたいな味でして……。
今回はその「え!?」で終わってもよい感想を、約2000倍にして書き連ねていきます。
記事の概要に関しては、今回より導入した「AIすずめ要約」をご覧ください(自作)。
この記事は、無職あまぼしすずめが山梨県で「ほうとう」を食べたところから始まります。
ほうとうにインゲン豆が入っていたことで「ほうとうの種族値はコイキング」などと散々暴言を吐くものの、やがてほうとうを理解しようと決意。
最後には手打ちほうとうを作り、無事ほうとうと和解します。
それではLet’s houtoooooo!!!!
Contents
山梨県の「ほうとう〇動」で食事
河口湖へ行ったものの、人が多すぎる(当たり前)という理由で早々に退散。
せっかくなので夜にほうとうを食べることにしました。
ほうとうといえば山梨のソウルフード。
Googleで検索すると、『山梨グルメ ほうとう以外』がヒットする程おなじみの料理です。
しかし河口湖付近、多くの店が19時や20時に閉まるじゃありませんか。
小学生の門限かよ。今時は中学生だって塾で帰りは21時だよ。
でもそういう感覚、飲み屋やチェーン店に毒されていますよね、よろしくありません。
夕食なんて早めにさっさと食えというメッセージでしょう。
そこで20時まで開いており比較的安価な「ほうとう不動」さんにお邪魔しました。
さしもの私もここからの内容が後ろめたいので気持ち小声です。
不動さんは山梨県でも有名なビッグほうとう店。
建物があまりに前衛的で、入店までに周辺道路をグルグル彷徨ってしまいました。
まさかこんな繭玉みたいな建物がほうとう屋だと思わないじゃん。
嘘でしょ、未だにサテ〇アン残ってるの? さすが河口湖町……とか勘違いするじゃん。
でっかく「ほうとう」って看板出しておいてよ。
ちなみにデザインした建築家は保坂猛氏だとか。
いざ入店。
店内はダンスホールと教会が融合したような広々とした空間で、外国の方を意識したのかグローバリズムな内装です(自分でも何言ってるかよくわからん)。
あちらこちらで飛び交う異国の言葉。
尚、ほうとうメニューは一品のみという清さです。
まあ提供が楽ですからね、その方が。
海外のお客さんには別メニュー表(英語かな?)が提供されており、その点は丁寧だと感じました。
で、肝心のほうとう。
カボチャ、キャベツ、白菜、人参、ネギ、油揚げ、キノコなどなど……オーソドックスな野菜を具材としています。
でけえ。
この、囲炉裏から引き揚げてきました! みたいな鍋はなんなの。伝統なの?
半分の大きさで半額にしてくれねえかなと思いつつ実食。
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん?
一言で言ってしまうと、野菜の味噌汁に小麦粉を伸ばしたものが入った味。
アナウンサーの食レポなら首が飛びますね。
一番のマイナスポイントはインゲンが入っていた点ですが、それは好みの問題のため置いておいて。
まず、麺が硬すぎました。
本当に火が通っているのかちょっと心配になるレベル。でも提供までに時間がかかっていたのでしっかり煮混んでいるとは信じたい。
というか、こういうものかもしれません。
ダシが効いてるのかコクがあるのかはよくわからないまま食し、店を出ました。
とにかくボリューム満点。お腹いっぱいになります。
なります……が、うーん、なんなのでしょうか、この消化不良感は。
舌が肥えてないため外食は「美味しかった!」という小並み感想しか吐けないタイプで、そもそも外食にケチをつけない信条なのですが……。
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん?
今回一緒に行った連れも隣で神妙な面持ち。
帰り道、私の頭にふと納得のいく答えが沸いてきました。
ああ、これが多分限界なのではないだろうか。ほうとうという食べ物の。
つまるところ……。
ポケモンでいうところのコイキングよね
種族値としての限界、なのかもしれない…
私の呟きに、なるほどと連れも腑に落ちた顔をしていた。
ほうとうの種族値
ほうとうはコイキング。
この一言ですべてを片付けることにしました。
ちなみに種族値を知らない方に簡単に説明すると、ポケモンには各モンスターの種類ごとに固有の能力の強さが決まっています(公式のものではない)。
ロシア人は酒が強い、アフリカ人は足が長い、みたいなやつです。
そのため同レベルでも種族によって各パラメーターに大きな差が出ます。
基本的に可愛らしい見た目をしたポケモンは種族値が低い傾向にあります。
つまり強くありません(たまに厳選でクソ強いモンスター作る人もいますが例外)。
で、コイキングもまたしかり、ケツから数えて6番目。
700匹もいるポケモンの中でワーストから6番目。
だって「はねる」しかできねえもん。そもそも戦えねえじゃんって話。
いくら金色だろうがレベル100だろうが、コイキングはしょせんコイキングなんですよ。
そういう世の無常っていうやつをですね、ほうとうという料理に感じました。
そろそろ東の方から刺客がやって来そうですね、口を慎みます。
でも安心してください。
ほうとうがコイキングだとしたら、長野のおやきはヒンバスです(同種族値)。
目クソ鼻クソーー全方位から刺客が来そうです。
ほうとうって高すぎないか問題
もう完全に愚痴になってしまい申し訳ないんですけど、これだけは言わせてください。
ほうとう、高くないですか?
飲食店も大変なので値段をあれこれ言うのは良くないとは思いつつ、高すぎる!
まだ肉入りならわかります。
でも私が食べたほうとう、肉は入ってなかったんですよ。
(ほうとうに肉は無粋、みたいな考えもあるらしい。知らん)
「キャベツ、はくさい、人参、ネギ、きのこ、いんげん、あぶらあげ、かぼちゃ、小麦粉、その他出汁」で、1,200円。
どこにそんな高価になる要素が?
これでも安い方で、1,500~2,000円とかもザラ。
他店で海老天重と同額1,400円だったときにはたまげました。
量が多いからこの値段なのでしょうか。
それとも観光地ゆえのボッタくり価格でしょうか。
客は外国人が大半だからこれくらい払うだろう、という海外仕様価格なのでしょうか。
もう何もわかりません。
謎を解明するためアマゾンの奥地へ向かいたい。
せっかく高い金額を払って食べたのに……どこか釈然としない気持ちのまま数日。
今度は別の疑問が湧いてきました。
あれが本当にほうとうの限界だったのだろうか?
ほうとうは本当にコイキングなのだろうか?
考えてもみて欲しい、材料はうどんとさして変わらない。
つまりもっと、美味しいはず。ほうとうは可能性を秘めているはず。
そこで私は「ほうとう」を自作してみることに決めたのです。
ほうとうの、汚名返上のために――。
ほうとうとは?
そもそも「ほうとう」とは何か。改めて調べてみました。
ウィキペディアを見ると、さっそくこんな一文が目に飛び込んできます。
かつて山梨では「ほうとうをうてないと嫁に出せない」と言う文化もあった――
とんでもない民族です。
戦前から日常食として親しまれていたほうとうは、現在でも山梨県民にとって馴染みのある料理。
当たり前ですが、家庭では一人ずつ鉄鍋で出したりはしません。
起源は6世紀にまでさかのぼり、甲州で定着したのは「武田信玄の陣中食」として。
山間部で稲作が難しかったゆえに山梨は小麦の生産量が多く、ほうとうが郷土料理として定着していきました。
小麦を水と練って伸ばして1cmほどに切り、野菜と一緒に煮込んだものをほうとうと呼ぶそうです。
ベースの味は味噌であるものの、材料は基本的に何でもOK。
一般的にはカボチャは外せない認識らしいです。
わりと何でもありの麺類なため、近年は「ワインビーフ牛すじほうとう」なる製品まで登場しました。パンで食べたい!
ほうとうときしめん、何が違うの?
平べったい麺、ときけば「きしめん」を思い浮かべる人も多いはず。
あちらは名古屋メシのひとつで、別名は平打ちうどんのようです。
雉を入れたから雉麺、元は紀州の人間が作った麺だから紀州麺など諸説ありますが――
まあ、さまざまなメシを各地からパクッてきた名古屋人ですから、後者が濃厚でしょうか。おっと、南からも刺客が……。
両者、大きな違いは麺の作り方にあります。
きしめんには塩を入れますが、ほうとうには入れません。
また、きしめんは広義にはうどん扱いなのでコシを出すために麺を一度寝かせます。
一方のほうとうは、麺を寝かせず切るためコシのすくないフニャフニャ食感になります。
つまり、ほうとうは最初からコシを楽しむ料理ではありません。
店のレビューで「コシがありませんでした」などと宣うのはお門違いというわけですね。
ほうとうを作る(適当レシピ有)
- 小麦粉(中力粉がおすすめだが何でもいい)…100g
- 水…80g(適宜調整)
- お好きな野菜をお好きなだけ
- (今回は人参、玉ねぎ、ネギ、カボチャ、キャベツ、白菜など)
- キノコ…1パックくらい
- 油揚げ…1枚
- 肉(お好みで)
- 出汁(目分量)
- 味噌(好きに味つけて)
もう具材は好きにして!!
ようやくクッキング!
レシピサイトを30秒くらい眺めて面倒になったので適当に作ることにしました。
まずは麺打ち。
麺は薄力粉と強力粉のあいのこ中間である中力粉が望ましいのですが、今回は薄力粉を使用しています。
主な違いはグルテン量なので、モチモチ感が変化します。
粉100gに対して水80g。
うちの計量カップがぶっ壊れているのか、この手の料理をすると毎回水が足りません。何故でしょうか。
数回に分けて入れながら、練って練って一つのボール状にしていきます。
伸ばせる程度の柔らかさになったらOK。
うどんはここで一度寝かせますが、ほうとうはこのまま伸ばして切ります。
打ち粉を叩いて薄く延ばして、1cm幅。
細くする必要がないのでうどんより楽です。
完成。とにかく楽。
これくらい手軽でないと日常食としては定着しないでしょう。
そして具材登場。
「何でもよい」と言いつつカボチャは必須な気がしました。
ほうとうに肉を入れていいか問題
Yahoo!知恵遅れでは「ほうとうに肉を入れるか否か戦争」が勃発していましたが、心底どうでもいいのではないでしょうか。
だって現場では「ワインビーフ牛すじほうとう」が出ているんですよ?
今回は肉入りと肉なしとを比較するため2種類作っています。
本来は鍋に麺を入れて煮込むため具材は炒めないのですが、私はすべての具材を一度炒めました。
これはもしかしたら本場からは邪道と言われるかもしれません。
でもやっぱり、野菜(というか玉ねぎと人参だけ)は炒めた方が美味しい気がするんですよ。
油でこってりするからそう感じるだけでしょうか?
結局カロリーが正義ってオチですね。
水と一緒に出汁を入れて煮込みます。
ここの出汁は、面倒なので顆粒だしを使いました。ほんだしも正義。
ひと煮立ちしたら麺を投入十数分。最後に味噌で味を整え、はい、完成。
打ち粉がいい感じにとろみを出してくれます。
一人前を作ったつもりが、おまえ何人家族だよって量ができてしまいました。おかしいな。
それでは実食。
手前味噌ですが、見た目はエエ感じじゃないですの。
麺の芯がやや残ってしまったものの、味自体は良い。
大きな声じゃ言えないけど、正直店のものより美味しい。だってほんだしだから。
やはり店で食べたときは出汁とコクの出し方が良くなかったんじゃないかと思います。もう味よく覚えてないけど!!(小声)
そしてなくてもよいものの、肉はあった方がおいしいです。
――翌朝、余ったほうとうを食べて驚きました。
あれ? 昨日よりうまくない?
そう、麺がより汁を吸って柔らかくなり、汁もとろみを増して、全体的に味がいきわたっているのです。
二日目のカレー。翌日の肉じゃが。
……ほうとうは煮物だったらしい。
なるほど、これは完全に店の敗北です。
観光客ならいざ知らず、地元民が店に行かないのは納得ですね。
まとめ~ほうとうは家で作れ~
山梨県民は店でほうとうを食べないらしいです。まあ、どこの県でもあるあるかもしれません。
え? 長野?
いやいや、家で蕎麦打ったりおやき焼いたりするわけないじゃん。
ほうとうはさすが常用食です。
翌日になるとメチャクチャ美味しくなるので、これは家庭で作っていただきたい料理です。
種族値でいうとコイキングからギャラドスへの進化といったところでしょうか。これぞ本当の鯉のぼり。
とんだ大出世、番狂わせですよ。
翌日になったら固くなるだけのおやき民、これには思わず悔し涙。
まあ、そんなわけで色々馬鹿にした発言を繰り返しましたが、ほうとうは美味しいとわかりました。
果物だけ作ってりゃいいんだよ、等の暴言は飛ばさず、これからも隣人として仲よくやっていきたい所存です。ズラ~。
\最新情報はTwitterにて/